春本番を迎える3月後半から4月にかけて、日本の空はぼんやりと霞む日が多くなります。「霞(かすみ)」の原因の一つが黄砂です。中国の砂漠地帯で巻き上げられた砂ぼこりが偏西風に乗って運ばれ、大気中に漂うことで空が黄色(白)っぽく見える現象です。また、この時期特有の「靄(もや)」も関係しています。気温の上昇により水蒸気が増え、大気中の微粒子とともに光が散乱することで発生します。さらに、朝晩の冷え込みによって霧が発生し、視界が悪くなることもあります。それらに加えて、スギやヒノキなど花粉が大量に飛散する時期でもあります。 晴れて風の強い日には花粉が舞い上がり、空気の透明感が失われることがあります。こうした黄砂、靄、霧、花粉が重なり合うことで、春の空は独特の「春霞」に包まれます。遠くの景色がぼんやり見える日には、何が影響しているのか考えてみるのも面白いかも知れないですね。

平均気温の傾向(3/15~4/14)
期間の初め(3/15~20)本州付近を低気圧が進み、通過後には西日本中心に寒気が流れ込む見込みです。春分の日(3/20)を過ぎると全国的に暖かくなる予想で、特に、3月下旬は全国的に春本番を想わせる陽気となりそうです。北日本では気温が平年より高くなる見通しで、期間中は、融雪によるなだれや河川の増水などに注意が必要です。一方、沖縄・奄美では寒気の影響を受けやすく、気温は平年を下回る見通しです。

降水量の傾向(3/15~4/14)
この時期らしく、数日の周期で本州付近を低気圧や前線が通過する見通しです。北日本では期間前半に低気圧によるまとまった量の雨やその後の寒気流入に伴う雪・雨が予想されます。そのため、期間全体の降水量は平年を上回る見込みです。その他の地域では、概ね平年並みの降水量となるでしょう。
(気象予報士:ファーマー)