【花火と浴衣】あると安心、意外な雨対策グッズと浴衣姿をきれいに見せるコツとは。

花火大会に浴衣を着ていこう!と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そこで当花火コラム編集部では、浴衣着用時の雨対策やどのようにすると浴衣姿が美しく見えるか、浴衣の柄って意味があるの?など、浴衣に関する情報を伺ってきました。お話をしてくださるのは「美麗 Kimono&Culture」の小杉盟子さん、モデルはカラーコーディネーターの伊藤早苗さんです。是非参考にしてみてください。


美麗 Kimono&Culture 小杉盟子さん

そもそも昔はそれこそ年間を通じて毎日、どのような天気でもいわゆる着物で生活していたわけですから、実は全天候対応なものなんですよ。

でも、やはり今は洋服で過ごす時間のほうが多いわけですし、着物(和服)に慣れていらっしゃらないと、特に天気が悪いと不安になりますよね。今日は雨対策ということで、いくつか便利なグッズとその使い方についてご紹介したいと思います。


■あると便利なもの

① ビニール袋
② 雨合羽(レインコート)

③クリップ

クリップ?ビニール袋??…雨合羽(レインコート)はわかるけれど、あの袖をどうすれば?と思った方、下記画像を参考にしてください!


①ビニール袋はかぶって使う!

ビニール袋は、閉じてある一辺をハサミなどでさきます。

↑それを、写真のように頭からかぶります。防空頭巾風とでも呼びましょうか。夏とはいえ雨にぬれてしまうと体が冷えますので、パラパラっと雨が落ちてきた際に、頭や肩を濡らさないために。

②雨合羽(レインコート)は巻いて使う!

普通の雨合羽の袖に浴衣の袖はおさまらないですよね。あれはこんな風に「腰に巻いて」使うとよいですよ。

↑雨合羽(レインコート)の頭から上の部分を内側に折った上体で、後ろから腰に巻き、両袖を前で縛ります。

↑この状態で傘をさせば、多少強い雨が降っても全身をカバーできます。

③クリップは「裾上げして留める」
傘をさすほどの雨になった場合、裾を右手で持って傘を左手に…となると、歩きにくいし疲れてしまうので、クリップは、浴衣の裾を持ち上げるようにして留めておきましょう。

↑まず、持ち上げたい部分を右手でぐっとつかみます。

↑つかんだ部分を、くるっと一ひねりするように持ち上げて…

↑そこをクリップで留めます。

それと、もうひとつ、あると便利なのは「手ぬぐい」です。袖の下にこのように入れとくと、重みで袖が真っ直ぐになりますし、パラパラ落ちてきたときに雨粒を拭いたりするのにもちょうどよいですね。

いかがでしょう?普段良く目にする、今この瞬間にも家にありそうなもので夏の雨対策ができてしまうんですね。
「クリップは、かばんや巾着にひとつふたつ、常に入れておくとよいですよ」と盟子さん。ちょっと和テイストの柄のものなど、可愛らしい感じのクリップや手ぬぐいを選ぶのも楽しそうですね。


■雨が降っているときの歩き方について

和装のときには、足を内股にして小さい歩幅で歩くとよいですね。これは雨・晴れ関係なく、歩き姿もキレイに見えますし。雨が降っているときの注意点としては、後ろを跳ね上げないように気をつけること。泥ハネは厄介ですからね。

■浴衣姿が美しく見えるポイント

基本的なこととして押さえておきたいのが、下記の3つのポイントです。

①裾

↑後ろから見たとき、黄色のラインのように裾すぼまりになっていること。

一歩前に足を踏み出したときにも、この状態が保てると美しく見えます。反対にAラインスカートみたいに裾が広がってしまうのは、NGですね。

② 襟の抜け具合

首を見せたほうがキレイなのですが、あまりにも多く見せすぎてしまうと品が損なわれてしまいます。髪形や雰囲気に合わせてキレイに抜いてあげましょう。

③ おはしょりがピシッとしていること

↑この部分がビシッとしているかどうかで、見た目の美しさがまるで違います。

プロの方に着せてもらうなら、この部分もしっかり気をつけていただけると思いますが、ご自身で着られるときに一番難しいのがこのおはしょりです。着物の生地が重なるので、上手に着ないともたついた感じになってしまいます。

うちで着付けをさせていただく際は、1枚目の中の部分を折りあげて重ならないように、外に見える部分をできる限り薄くしています。こうするとすっきりするんです。

―― 確かにこの「おはしょり」部分は、モサッとしておなかがポコンと出て見えたり、だんだん緩んで少しだらしない感じに見えてしまったりと悩みのタネでしたが、なるほど!そんな技があるんですね。

■浴衣の柄について

浴衣に関しては、それこそワンピース感覚で着ていらっしゃる方が多いので、そこまで柄を気にされることもないと思います。

自分に似合う柄を見つけるのは、やはり袖を通してご覧になるのが一番ですね。当ててみるとわかるのですが、全身に柄があるのが着物なので、できればちゃんと羽織った状態で選んであげた方がいいと思います

浴衣や着物は帯も合わせるので、その組み合わせでも雰囲気が変わります。「着物一枚に帯七本」という言葉がありますが、着物を仕立てるのはお金がかかるので、その分、帯によって雰囲気を変え、バリエーションを楽しんでいたようです。

浴衣の柄といえば、朝顔やヒマワリ、アジサイといった季節の花がやはり多いですが、他にもたくさんの色や柄があります。それぞれ意味もありますので、知っていると選ぶときに楽しいかもしれませんね。

① 麻

麻は、あまり手をかけなくてもよく育つので、昔から魔除けの意味があります。浴衣や着物によく使われる柄で、粋な感じになりますね。

② トンボ

この柄は真夏のものですが、トンボは昔から「勝ち虫」と呼ばれていて、勝負事などに縁起がよいと言われています。

③ サクラ

あれ?春の花のはずでは?って思われるかもしれませんが、サクラは日本の国花で四季を通じて着ても良いと言われています。春の初めに咲く花で「物事の始まり」を意味しますので、いつ着ても大丈夫なんですよ。

―― 浴衣の雨対策、きれいに見えるポイント、柄に関するマメ知識をお届けいたしました。今年の花火大会は、浴衣を着て楽しみたいですね。小杉さん、ありがとうございました。

取材協力:美麗 Kimono&Culture 小杉盟子さん

http://birei-asakusa.tokyo/

モデル:伊藤早苗さん(カラーコーディネーター)


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