これを抑えておけば花火鑑賞がもっと楽しくなる4つのポイントを紹介!

夏といえば花火大会!7月28日には江戸の風物詩「隅田川花火大会」が開催され、全国各地で花火大会が催されますね。色彩や造形、音響、そして花火師が描いた「起承転結」を、無心に観るのもひとつの鑑賞法ですが、せっかくなのでもう少し知識を身につけて鑑賞してみませんか?
日本煙火協会の専務理事・河野晴行さんに「花火鑑賞の基本」を教えていただきました。

河野晴行さん

日本の打ち上げ花火は、花火のひとつひとつに名前「玉名」がついていて、花火を表現しています。玉名が入ったプログラムのある花火大会では、花火とそのプログラムを見比べて、花火師が考えた世界観を想像するのも一興でしょう。

花火が開いてから消えるまでの間にいくつかの項目を一定の基準で観ることにより、ちょっと専門的に花火を楽しめるかもしれないですよ。

■花火のココに注目して観てみよう!4つのポイント

①「玉の座り」
打ちあげられた玉がちょうど上り詰めたときに開くのが良いとされる

②「盆」
玉の大きさに見合った広がりで、まん丸(真円球状)に開くのが良いとされる

③「肩」
飛び散る星が放射線状にまっすぐ飛んで、円形に広がるのが良いとされる

④「消え口」
開いた星全ての先端が一斉にパッと消えるのが良いとされる

写真:台東区


■知っておくと観賞がもっと楽しくなる!基本的な花火の名称

打ち上げ花火は、大きく分けると「割物(わりもの)」「ぽか物」「半割物(はんわりもの)」に分類できます。

「割物」・・・菊、牡丹、椰子、型物など
「ぽか物」・・・信号雷、小花、柳、煙竜など
「半割物」・・・千輪、小割(こわり)など

「割物」は、星(光や色彩、煙を出す部分の火薬の塊)を割火薬で四方八方に飛ばす仕組みです。玉の中心から星が炭火色の尾を引いて丸く開くものを「菊」、尾を引かずはじめから色の光が開くものを「牡丹」といい、円の中に芯が入ったものを「芯入」、蝶々やハート、笑顔などのさまざまな型を表現する「型物」などがあります。

「ぽか物」は玉が上空に達したときにくす玉のようにぽかっと割れるもの、「半割物」は玉が上空で開き、後からたくさんの小さな花が一斉に開くもので「千輪」と呼ばれます。

花火には昼の花火と夜の花火があります。昼花火の代表的なのは運動会等の開催の合図に使われるものや、彩色の煙を使ったもの、パラシュートに旗がついたものなどがあります。
昼花火は音や煙の効果を表現するものが主流で、空の色や雲、風向きや日差しの強弱によって違う表情に変化する情景美といえるでしょう。


隅田川花火大会など、多くの花火大会で鑑賞できる主な花火は「割物」です。「割物」の名前と特徴についてご紹介します。

>>菊

火の花が丸くぱっと開き、星が中心から炭火色の尾を引いて広がって行く形で「引」とも言います。菊の先が2色に変化する「変化菊」が多く使われます。

>>牡丹

菊とは対照的に尾を引かず、最初から色の炎を出して開くもの。本来は芯の入ったものを牡丹、入っていないものを「満星(まんぼし)」といいました。

>>冠菊(かむろらぎく)

大きく開いた星がスーッと尾を引いて垂れ下がるもので、童女の髪型「禿(かむろ)」に似ていることが語源とされています。

>>芯入

菊、牡丹、冠菊などの花の中心に芯があるものを芯入と呼びます。二重の芯は「八重芯」三重の芯は「三重芯」、四重のものは「四重芯」と、その数によって増していきます。

>>椰子

金色の太い花弁を椰子の葉のように開かせます

>>型物

平面状や立体的に開いて、ハートや笑顔、土星、ひまわりなど、さまざまな形状を表現します。ちなみに型物は二次元(平面)なので真横から見ると「線」にしか見えず、特定の方向を向けさせるため、花火玉本体に紐を結びつけ尻尾のようにしたり、矢羽を付けたりし、色々工夫を重ねています。

取材協力:公益社団法人 日本煙火協会 専務理事・河野晴行さん
参考資料:「花火入門」 日本煙火協会公式HP
http://www.hanabi-jpa.jp/


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