まるで夏日?と思うほど気温の高い日があったかと思えば、衣替えで仕舞い込んだ上着を再度取り出さないと寒い日があったり…身体の機能「ホメオスタシス」がフル稼働になって疲れやすい時期でもあります。特に、長期にわたる自粛や新型コロナウイルスに対する不安など、体調を崩しやすい条件が揃っていますので、普段よりもさらに体調管理に気をつけるようにしてください。今日は「お風呂/入浴」についてお話します。
(1) 入浴が心身に良い理由は?
温かいお湯に身体を沈めることによって得られる効果として、血行を良くし新陳代謝を活発にすることで老廃物を身体の内から外へ排出しやすくしてくれること、汚れを洗い流してくれることなどの「身体に直接関係ある効果」のほかに、入浴中は副交感神経が優位になるため緊張がほぐれたり、お湯に浸かると浮力効果がありリラックスできる、などの「心に関係ある効果」があり、心身ともにリフレッシュできることがあげられます。
世界の他の国と比較しても、日本人は入浴好きとして「今日1日の疲れや汚れをお風呂で洗い流す」という意識が高く、気持ちのリセットのためにもお風呂の時間を有効に活用したいところです。
(2) 適温ってどのくらいの温度のこと?
リラックス効果を高める湯の温度、いわゆる「熱くもなく、ぬるくもなく、ちょうどいい」湯加減は何度くらいのことでしょうか。もちろん人によって好みは違うでしょうし、冬季と夏季では気持ち良いと感じられる温度にも差がありそうですが、日本人が好むのは38〜43度くらいだと言われています。温度が高めのお湯に短い時間浸かるよりも、少しぬるめのお湯に長めに浸かっている方が、身体を温める効果が高く長続きするようです。
(3) 効果的な「漬かり方」とは
「半身浴」「腰湯」
たっぷりのお湯にザブンと肩まで沈めて首から上だけ出している「全身浴」を好む人が多いのも日本人の特徴のひとつですが、入浴の効果を高めるには「半身浴」や「腰湯」などを取り入れることをおすすめします。みぞおちくらいまでの「半身浴」は心臓や肺への負担が少なくてすむこと、のぼせる心配が減少するので時間をかけてゆっくりしっかり温まることができます。また、腰が浸かる程度の「腰湯」は、冷えが原因のさまざまな症状の方におすすめ。いずれの場合も「寒いな」と感じる場合は温まるまで肩にタオルなどをかけると良いでしょう。
「足湯/足浴」「手浴」
風邪などの症状があってお風呂に入れない時におすすめしたいのが、この方法です。洗面器などにお湯を入れ、10〜15分程度、足や手を浸けます。手足の指などの末端部分が温まると血液の循環がよくなり、凝りやむくみなどにも効果的です。
(4) 入浴剤などで工夫も!
市販の入浴剤やハーブなどを取り入れ、リラックスタイムを演出するのもよいですね。気分や体調によって香りや色を選んで楽しむのも、入浴による効果を高めることが期待できそうです。
(5) 入浴に関して注意したいこと
入浴は意外とエネルギーを消費します。身体を洗う時間も含めて約30分の入浴で1km程度のランニングをするのと同じ位のエネルギー(約100kcal)を消費するそう。お風呂から出たらしっかり身体を休めるようにしましょう。それからもうひとつ重要なのは「水分補給」です。お風呂の中では全身が濡れているので気づきにくいのですが、かなりの汗をかいて体内から水分が失われています。入浴前後にはコップ一杯程度の水分を補給するよう心がけてください。
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(アール)