各地で雨が強まり、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降っているところがあります。
雨量に関しては「1時間に○○ミリ」という表現が使われていますが、これがどれくらいの量なのか?については、なかなか想像することができません。雨が増える時期に突入しましたので、改めて雨量と危険度についてお伝えしたいと思います。
■1時間に50ミリの雨とは?
この「1時間に○○ミリ」というのは、雨水が別の場所に流れることなくたまっていく状態で(実際はさまざまな条件・状態が考えられますが)「1時間に雨水が50mmの高さまでたまる」規模の雨、ということになります。
このように書いてみると「たったそれだけ?」と思われるかもしれません。
見方を変えてみましょう。例えば傘を広げたときの面積がおよそ1平方メートルなので、傘をさして雨の中に1時間立っていたとすると、1リットルサイズの牛乳パックが50本分程度傘の上にたまる…という感じです。
とても傘をさし続けていられませんよね。1平方メートルという狭い範囲にそんなに大量の雨水が落ちてくるということは、広い範囲で同じ状態になる=その水が全部集まる…水害をもたらすほどの水が地域にあふれる、ということになるわけです。
雨の強さと降り方についてのおおよその目安について気象庁の情報を参考に下記のようにまとめますので参考にしてください。
■ 1時間の雨量:30mm〜50mm 「激しい雨」
人が受けるイメージ:バケツをひっくり返したように降る。
人への影響:傘をさしていても濡れる。
屋内(木造住宅を想定):寝ている人の半数くらいが雨に気づく。
屋外の様子:道路が川のようになる。
車に乗っている場合:高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが利かなくなる。(ハイドロプレーニング現象)
■ 1時間の雨量:50mm〜80mm 「非常に激しい雨」
・人が受けるイメージ:滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)。
・人への影響:傘は全く役に立たなくなる。
・屋内(木造住宅を想定):寝ている人の半数くらいが雨に気づく。
・屋外の様子:水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる。
・車に乗っている場合:車の運転は危険。
■ 1時間の雨量:80mm〜 「猛烈な雨」
・人が受けるイメージ:息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感じる。
・人への影響:傘は全く役に立たなくなる。
・屋内(木造住宅を想定):寝ている人の半数くらいが雨に気づく。
・屋外の様子:水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる。
・車に乗っている場合:車の運転は危険。
「激しい雨」「非常に激しい雨」という言葉が聞こえてきたら、避難を意識したほうがよいでしょう。災害に遭わないためには、とにかく早めの避難が大事です。避難経路や避難場所の確認は「災害前」に行っていることが大前提です。ハザードマップなどもしっかりチェックして、今いる場所(よく行く場所)のリスクを把握しておきましょう。
参考・画像出展:気象庁HP
(防災士・R)