富士山で初冠雪!「見えて初めて」発表される?

「富士山に初冠雪」というニュースが報道されました!令和のおめでたい儀式の日を祝うように、日本の富士山が雪化粧。度重なる災害、またもや台風が近づいてきているとの情報に憂鬱な気分になる日が続きましたが、こうしたニュースは少し心が晴れやかになりますね。

「初冠雪」や「初雪」の話題は、最も冬の到来を告げる話題でしょう。今年の富士山の初冠雪は平年(1981年~2010年の30年間の平均/9月30日)よりも22日、平年より4日早かった昨年(9月22日)よりも26日遅いとのこと。猛暑や大型の台風発生など、地球の温暖化を示唆する現象が目立った今年ですが、そういったことも富士山の初冠雪の遅れに影響していると思わざるを得ません。

気象庁HPによると「初冠雪」については以下のように定義されています。

雪やあられなどが山頂付近に積もり、白く見えることを冠雪といいます。寒候年(前年8月から当年7月まで)に、付近の気象台から初めて見えたときを、その山の初冠雪といいます。

富士山については、甲府地方気象台が❝付近の気象台❞ということになり、そこから「白く見えた」状態になった、ということなんですね。もし仮に雪やあられがもっと前に降ったり積もったりしていたとしても、付近の気象台から見えなければ、初冠雪は発表されないということになる…ちょっとびっくりです。

ところで「初冠雪」のニュースと「初雪」のニュースは別であることに、気づいていらっしゃいましたか?

気象庁による初雪と初冠雪の定義

初冠雪については上で書きましたが、初雪とは、その年の寒候期に初めて降る雪のこと。気象条件によっても異なるものの、通常、標高が 100m 高くなると気温は0.5℃~1℃ほど低下します。標高の高い山地は、平地よりも一足先に冬を迎えるんですね。

ちなみに、初雪と初冠雪の観測日は、1月から12月までの1年間ではなく、前年8月から当年7月までの寒候年を基準にして発表されます。つまり、寒候年における2019年は、2018年8月から2019年7月まで。今後、2019年内に観測された初雪と初冠雪は、寒候年においては2020年のものとして発表されます。

富士山の初雪と初冠雪の平年値は?

富士山の山頂付近は、夏場でも気温が氷点下になることもあるため、日本では最も早い時期に初雪が観測されます。その平年値は9月14日。ただし、この平年値は10年以上に渡って更新されていません。なぜなら、2004年に富士山測候所に自動観測装置が設置されて無人化した結果、初雪の観測が終了したためです。その後も各地の測候所が無人化または廃止されていることから、以前と比較すると、初雪を観測する地点は減少しています。

(アール)

 

※参考資料

気象庁:雨・雪について
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html

甲府地方気象台:霜・氷・雪の初日および終日
http://www.jma-net.go.jp/kofu/menu/siryo_sonota_top.html

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