立春過ぎても…乾燥・寒さ・温度差に対策を

2月4日に立春を迎えて暦の上では春になりました。寒さがあまり長続きしなかった昨年とは違い、今年は寒気が流れ込みやすく「今年はいつまでも寒いなあ」と感じてしまいそう。今回は寒さや乾燥によって引き起こされる身体の不調と対策についてお伝えしたいと思います。

■乾燥した空気で皮膚や粘膜が損傷
冷たく乾いた空気は水分を奪い取ってしまうため、肌やのど・鼻の粘膜にとって大敵となります。水分が奪われることによってバリア機能が低下し、肌荒れや痒み、ひび割れなどの傷、ウイルスや細菌が侵入しやすくなり、細菌性疾患の原因に繋がってしまいます。
ウイルスや細菌などは低温度で乾燥している環境では飛散量も増加し、空気中に漂う期間が長くなるため、息を吸うと鼻やのどから侵入しやすくなるのです。口から気管支に入ったウイルスや細菌類は、通常であれば咳や痰と一緒に外に排出されますが、気管支が乾燥して炎症を起こしているとウイルスや細菌などを排出する機能が低下してしまい、風邪やインフルエンザなどの疾患を招きかねません。
肌の乾燥を防ぐには、手を濡れたままにしないできちんと拭いて乾かしましょう。ハンドクリームなどを塗布することも有効です。のどや鼻の乾燥対策についてはマスクの着用がベストですね。

・鼻水の役割
鼻水は鼻腔の粘膜から分泌されて、鼻腔・咽頭・喉頭・気管などが乾燥しないように守る役目をもっています。鼻腔とのどがつながっているので、鼻をすすると鼻水はのどに落ちてしまい飲み込んで食道へと流れ落ちていきます。ちなみに涙も鼻水の原因に。目と鼻は細い管で繋がっているので、目の表面の乾燥を防ぐためにまばたきすると鼻腔へも微量の涙が流れて内側の乾燥を防ぎます。泣くと鼻水も出てくるのはこのためなのです。

■温度差が身体に与える負担
エアコンや暖房器具で暖かく快適な室内と外気との気温差が身体に大きな負担を与えてしまうことも。暖かい場所から寒い外に出た瞬間、身体はすぐさま反応して皮膚の下の細い末梢神経を収縮させます。こうすることによって皮膚表面の血流を減らし、身体の中心部を流れる血流を増加させ、体温の低下を防ごうとするのです。結果として心臓には大量の血液が流れ込んで血圧が上昇し、心臓では酸素の消費量が増えて負担がかかることになります。
心臓に負担がかかることで引き起こされるのは、心筋梗塞などの血管系の疾患です。特に高齢者の場合は気温差による血圧の上昇率が高く、調整機能も遅れがちのため、体への負担が大きくなって血管系疾患の発症リスクが高まります。
特に風呂場などでは温度の急激な変化によって引き起こされる「ヒートショック」と呼ばれる事象がありますので十分にご注意ください。

<ヒートショックにならないよう気をつけること>
・お風呂場などは気温差が大きくなりがちなので、浴室と脱衣所の両方を暖かくする
・お風呂の温度はややぬるめに設定(38〜40度が目安)
・長風呂をしない
・入浴前後にコップ1杯程度の水分を補給
・入浴前にアルコールを飲まない(アルコール摂取後に入浴しない)
・血圧の高いときは入浴を控える

■寒さ対策で覚えておきたい “3つの首”をあたためる
ヒトの身体で特に寒さを感じやすいとされているのは、手足の指先と首まわりです。身体の冷えは手足からはじまって下半身から上半身へと広がります。首・手首・足首の3つの首を保温することで冷えから身体を守りましょう。

(健康管理士:R)

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