全国的に梅雨が明けて夏本番に突入、連日のように猛暑が伝えられています。台風が去ったあとはことのほか暑さが厳しくなる可能性も大きく、熱中症にはくれぐれも警戒してください。そして、この時期に気をつけなくてはならないのが「ヘビとの遭遇」です。
ハブ・マムシ・ヤマカガシの3種について、日本に生息する毒蛇とされています。このうち、ヤマカガシに関してはずっと以前には「無毒」とされていましたが、中学生がヤマカガシに噛まれて亡くなるという痛ましい事件が発生して以来、毒蛇として認識され注意が促されるようになりました。
ヤマカガシの毒はマムシやハブに比べてはるかに毒性が高く(猛毒)危険だということがわかったのです。
また、怖いのは毒性の強さだけではありません。ヤマカガシに噛まれた場合、マムシに噛まれたときのような痛みや腫れなどがありません。つまり、噛まれてもすぐには緊急性が感じられず、じわじわと体内に入った毒によって激しい頭痛、歯茎や傷口などからの出血が続き、脳内出血まで引き起こし、死に至らしめる可能性が高いのです。
「ヘビに噛まれた気がするけれど、痛くもないし、腫れたりしていないから平気かな」なんてのんびり構えていたら大変なことに…こんな目に遭わないために、どのようなことに注意すればよいのでしょう?
▼ヤマカガシと遭遇しやすい場所に近寄らない!
ヤマカガシは北海道や沖縄を除く、国内の殆どの地域に生息しています。水田付近や河川敷などにいることが多いといわれていますので、自宅付近やよく行く場所に田んぼや川がある方、河川敷でアウトドアやキャンプの予定がある方は特にご注意を!
▼ヤマカガシを見た目ですぐに判断するのは難しい
誰でもすぐにぱっと見ただけで「あ!ヤマカガシだ!」と判別がつくような様相だとわかりやすいのですが、ヘビという生き物そのものが、非常に見分けがつけにくいとも言えそうです。
視覚に入ったヘビにわざわざ近寄って色や模様を確かめようとするのは危険ですので、絶対にやめてください。
ちなみにヤマカガシは全体的に黒っぽくて赤い斑点が特徴とされていますが、近畿地方で見つかったものは緑色っぽい姿との報告で、地域による差もありそうです。
▼遭遇してしまったら?
ヤマカガシは本来おとなしい性格ですが、危険を察知して噛みつきます。ヘビを見つけたら近づかないこと・触らないことが大前提です。棒などで突いたり、石を投げたりして刺激することも絶対にしないようにしてください。
▼最悪の場合、噛まれてしまったら?
とにかく毒を出すことが最優先です。毒を出すスポイトなども販売されているようですが、スポイトを持ち歩いている可能性は極めて低いですし、素人では吸い出しも難しいためすぐに病院に行きましょう。
ここ数年の間に、街中の公園で男の子がヤマカガシと見られるヘビに噛まれて一時意識不明に陥ったというニュースが報道されました。ヘビと遭遇するのは山中や藪の中だけとは限りません。素足にビーチサンダルで草むらをやたらに歩き回ったり、草や茂みの中に素手を突っ込んだりしないように!
これから本格的なレジャーの季節。コロナ禍で密を避け、アウトドアの計画やキャンプを楽しみにしている方も多いと思います。どうか皆さま、気をつけて楽しんでください。
(コラム担当:F)