毎年、梅雨明け前後から夏にかけてスズメバチによる被害が報告されます。スズメバチは日本国内に何種類も存在し、中でも一番大きな「オオスズメバチ」、都心部に多い「キイロスズメバチ」などが良く知られています。スズメバチはハチの中でも特に荒っぽい性格をしており、巣を守るために集団でヒトを襲ったりします。
興奮すると「カチカチ」という音を鳴らしながら攻撃(音が小さくて聞こえない場合もあります)し、毒針で刺すだけでなく毒液をまき散らしたりする危険もあります。また、ミツバチなどと違って、同じ針で何度も刺すことができるとも言われていますので注意が必要です。スズメバチに攻撃されないために気をつけることをまとめました。
1:近寄らない!
スズメバチの巣やスズメバチには近寄らないこと!例えば民家の軒先などに作られた巣をつつくなどもってのほかです。また、巣があるのは軒下など「上」だけとは限りません。足元からハチが襲ってきた、などの報告もありますのでくれぐれもご注意を!
2:なるべく白っぽい服装を
スズメバチは濃い色のものを攻撃しやすいと言われているので、できる限り白っぽい服装を。白い帽子をかぶるなど、髪の毛を見せない工夫も必要です。
3:香水・整髪料は厳禁
甘い香りに近寄ってきますので、香水・コロン・整髪料はもちろん、ジュースや食べ物なども控えるようにしましょう。
■実は猛毒をもっている!アシナガバチにも注意を
スズメバチに関しては、メディアなどでもかなり取り上げられていますが、気をつけなくてはならないのはスズメバチだけではありません。とくにアシナガバチは要注意!スズメバチと同じように“連続で刺す”ことができ、その毒が強くてアナフィラキシーショックを引き起こすことも。
また、一部の種類のアシナガバチに刺されるとスズメバチを凌ぐ痛みと言われています。ハチは春から夏にかけて活動が活発になり、例えば庭や軒下など、住空間に巣がある場合、発見が遅れると撤去もかなり大変な作業になってしまいます。特に梅雨のシーズンは雨のせいで巣の発見が遅れ、気づいた時にはかなり大きくなって駆除もしづらい状態に、というケースがとても多いそうです。
▼アシナガバチの特徴
・スズメバチに比べれば細身
・穏やかな性格で、攻撃性は低い(*ただし、巣を守るために防衛・攻撃する)
・体長は 20~26mm
・素早い動きは苦手
▼こんな場所に要注意!ハチが巣を作りやすい場所は?
ハチは雨や風をしのげる場所に巣を作ります。家の周りでいうと、例えばウッドデッキの下や軒下など。巣を作り始める時期にはこまめな確認が大事ですね。庭木の枝、葉の陰に作られた巣に気づかずに雑草の伐採作業をしてハチに襲われたケースもあります。庭の手入れもあまり日を開けずにした方がよいですね。
アシナガバチの生活サイクル
アシナガバチの女王バチは4月〜5月にかけて冬眠から目覚めます。6月頃には女王蜂が1〜3つ程度の巣穴を単独でコツコツ作ってそこに卵を産み付けます。その卵たちが20日前後で幼虫から成虫に。およそ1ヶ月後(7月頃)から働きバチが動き始め、女王バチは卵を産むことに専念します。働きバチが幼虫の世話をしたり、巣作りをしたり活発に動き始めます。働きバチは驚異のスピードで増えていき、生まれてきたたくさんのハチの中から生命力が強いハチを選んで新女王バチに任命し、冬を越せるようにみんな(働きバチ)で大事に育てます。
働きバチと女王バチは死に絶え、新女王バチだけが冬を越します。新しい女王バチは春になると、また同じように自分の巣を作り、巣を作った女王バチから新女王バチに遺伝子が引き継がれていくのです。
このサイクルはスズメバチとアシナガバチだけで、ミツバチは全員で冬を越します。
▼気づいたらすぐ駆除を!
女王バチだけで巣を作っている段階(作り始め)の頃は、素人でも気をつけるべきことをきっちり注意すれば撤去はできなくはないかもしれませんが、 防護服(全身) 専用器具 などを揃えて、比較的やりやすいとされる夜間に自分で作業するのはとても大変です。発見したら即!迷うことなく専門業者に連絡・問合せをするのがオススメ。グズグズしていると、瞬く間に働きバチが増えてとんでもないことになりますよ!
(コラム担当:F)