ダイエットで免疫力低下? 食事の偏りに要注意!

立春、いわゆる暦上の春ももうすぐ!寒くて乾燥してウイルスが我が物顔で飛び回っている季節から花開く季節に移り変わると思うと、それだけでも少し気持ちが明るくなれそうですね。免疫力を高めるには鬱々とした気持ちでいるよりも大いに笑った方がよいと言われています。さて、前回「よく耳にする「免疫力」ってそもそもなに?」で免疫力の概要についてお伝えしましたが、今回は免疫力を高める食事についてまとめてみたいと思います。

免疫細胞を意識するには、どんなことが重要?

免疫のメカニズムが私たちの身体、そして命を守ってくれていることがわかりましたが、免疫に役立っている免疫細胞の多くは腸にいると言われます。ということは、こちらも耳にしたことがある言葉かもしれませんが「腸内環境」を良い状態にしておく、ということが免疫力の低下を防止する重要なポイントになります。そして、免疫細胞に元気よく働いてもらうには、必要な栄養をしっかり摂ることも大切です。

具体的な食品をご紹介する前に「栄養素」について再確認を。「生体構成栄養素」いわゆる5大栄養素をまとめた図がこちら(下図)です。


生体構成栄養素にはエネルギー生産栄養素、機能性栄養素の大きく2つに分類され、それぞれ役割を担っています。

■たんぱく質を含む食品

ご注目いただきたいのが「たんぱく質」です。たんぱく質は、炭水化物や脂質と一緒にエネルギーをつくる栄養素のひとつでもあり、骨や筋肉・臓器・皮膚など、身体を作り、免疫に関わる構成成分としての役割も持つオールラウンダーです。元気で過ごせる身体のためには、たんぱく質をしっかり充分な量を摂ることがマストです。たんぱく質を多く含む食品は、肉・魚介・卵・大豆(大豆製品を含む)などです。

■腸内環境を整えてくれる食品

免疫細胞がたくさんいる腸内を、細胞にとって快適な環境にすることも重要です。人間の腸内は大きく分けると、善玉菌・悪玉菌・日和見菌(善玉菌と悪玉菌の優勢な方に味方する)の3タイプの菌で構成されています。このうち善玉菌は、身体に悪影響を与える悪玉菌の増殖を抑制して腸の動きを活発にし、いわゆるウイルスや菌による感染を予防するために働くとされています。善玉菌を元気にしてくれる食品は、ビフィズス菌や乳酸菌を多く含む食品=ヨーグルト・乳酸菌飲料・発酵食品など。また、善玉菌を増やすために摂ると良い食品は、善玉菌のエサとなる成分=食物繊維・オリゴ糖などを多く含む食品、野菜・フルーツ・ごぼう・タマネギなどです。

■最も重要なのはバランスです!

〇〇が身体に良いと見たり聞いたりすると、そればかり食べる方がいらっしゃいますが、これは間違いです。食事に関しては、まず「栄養バランスがとれている」ことが大前提です。どの栄養素もそれぞれ、重要な役割を担っており相互関係にもあります。栄養バランスが取れていて初めて、それぞれの機能が正しく活躍してくれるのです。


ダイエットで糖質(炭水化物)抜き、脂質を排除する方が多くいらっしゃいますが、それは、免疫力の面だけではなく、さまざまなことから「大きな間違い」です。極端な食事制限は免疫力の低下のみならず、体調不良の原因にもなりますし、何よりダイエットをしている方が最も忌み嫌うべき「リバウンド」の最大の原因にもなります。カロリーだけではなく、栄養を気にするようにしてください!

栄養バランスのとれた食事、適度な運動、充分な休息、ストレスを溜めすぎない…どれもこれも耳にタコができるほど聞いているよ〜!と思われるかもしれません。健康的な生活は「特別なことを短期間にする」ことではなく、日常生活そのものにあります。健康に不安のある方もそうでない方も、これを機に日頃の食生活やリズムをチラッと見返してみてください。

(健康管理士:R)

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