2020年の天文分野のトピックスナンバーワンといえば、なんといっても小惑星探査機「はやぶさ2」の地球帰還でしょう。小惑星「りゅうぐう」から、サンプルを格納したカプセルを無事に地球に運んだ功績は、世界中から賞賛される偉業でした。「はやぶさ2」は、次なるミッションを遂行すべく再出発しました。目的地は「1998KY26」という名の微小小惑星で、到着の見込みは2031年7月頃の見通しとのこと。宇宙空間を長い年月をかけて旅するんですね。ちょっと先のことではありますが、10年後のニュースも楽しみです。
ほかにも、11月29日に目撃された「火球」も大きな話題になりました。3月に発見された「ネオワイズ彗星」、6月の「部分食」、そして火星の接近。…コロナ禍で自粛を余儀なくされた期間もあり、マスク着用が日常となって何かと制限が多く窮屈な毎日でしたが、星空の活動は活発でした。

さて、2021年にはどのような天体ショーが観られるでしょうか。
見逃せないのは月食。今年は5月26日に皆既月食、11月19日に部分月食があります。この部分月食は、月のほとんどの部分が隠れるほどで、見応えも抜群といったところでしょうか。
明日の未明にかけて見頃を迎える「しぶんぎ座流星群」(リンク)と、8月の「ペルセウス座流星群」、12月の「ふたご座流星群」についても、毎年のイベントとしてカレンダーに今すぐご記入を!特に8月13日の「ペルセウス座流星群」は月明かりの影響も少なく、条件がとても良いですので、お楽しみに。
▼いますぐカレンダーに記入!
1月4日(未明) しぶんぎ座流星群が極大
2月中 カノープスが見頃
3月中旬 上向きの月に注目
4月22日 4月こと座流星群(極大は22時頃)
5月6日 みずがめ座η(エータ)流星群が極大…見頃は5日〜7日の未明
5月26日 皆既月食 ※2021年で最も近い満月
6月10日 新月(金環日食:残念ながら日本では観察不可)
7月30日 みずがめ座δ(デルタ)南流星群
8月13日(未明) ペルセウス座流星群(極大は4時頃)
9月21日 中秋の名月/満月
10月21日(前日夜半から未明) オリオン座流星群が極大
11月19日 部分月食/満月
12月4日 新月(皆既日食:残念ながら日本では観察不可)
12月14日(未明) ふたご座流星群(極大は16時頃)
天体観測情報については、今年もたくさんお伝えしたいと思います。お楽しみに!
(コラム担当・F)