2020年の気象を振り返る③ 〜国内最高気温41.1度〜

地球温暖化については、さまざまな議論がなされています。世界中で二酸化炭素の排出を削減することが提唱され、技術面だけではなく私たちひとりひとりの意識も問われる時代になりました。地球温暖化は地球の環境を変えてしまう可能性があります。中でも海水面の上昇と気温の上昇は特に危惧されており、生態系への影響が懸念されます。
ここ数年、毎年のように叫ばれる「猛暑」「記録更新」も大変気がかりです。2020年の気象を振り返る、第三弾は「暑さ」です。解説は気象予報士・がんちゃんにお願いします。


記録的な猛暑で観測史上1位タイ

今夏はフィリピン近海の対流活動による上昇気流が日本付近で下降し高気圧が強められる構図となり、列島各所に記録的な猛暑をもたらされた。8月14日には高気圧が西日本で勢力を強めて高知県四万十市中村では39.7度まで上昇、翌15日には 静岡県浜松市でも39.7度、16日には浜松市天竜区で 40.9度まで上がり、同地点の観測史上1位となった。
そして、8月17日も高気圧のパワーは手加減なしで、浜松市ではついに正午過ぎに41.1度に達し、国内の観測史上1位タイの記録的な高温となった。(これまでの歴代最高は2018年に埼玉県熊谷で観測した41.1度)

高気圧縁辺をまわる山越えの熱風(参照:気象庁HP ※一部加工)

そのほかの地域でも高気圧の中心に近い西日本各地で猛烈な暑さとなり、奈良県や宮崎県など全国26地点でこれまでの観測史上1位の値を更新した。主な要因としては、西日本に中心をもつ太平洋高気圧の縁をまわる山越えの暖かく乾いた西風が入り込みフェーン現象が発生したこと、さらに太平洋高気圧の上にチベット高気圧が被さるような形で2枚布団となり、下降気流が発生して地上の空気が圧縮され気温が上がったことが影響していると考えられる。

静岡県西部から愛知県に広がる高温域 (参照:気象庁HP)


がんちゃん予報士、ありがとうございました!

寒さが日に日に厳しくなる12月の後半に猛暑の暑さに関してはピンとこないかもしれません。むしろ、暑さを懐かしく感じる方もいらっしゃるかも…。ですが、熱中症は生命にも関わる危険な症状ですので、甘くみないように気をつけなくてはなりません。コロナ禍で運動不足になり汗をかきにくくなっている、暑さに慣れていない状態でたまに外に出る、といったことも熱中症を引き起こす原因になります。
熱中症に限ったことではありませんが、大事なのは日々の健康管理です。バランスの取れた食事、充分な睡眠と適度な運動。昔からずっと言われていることですが、これらの基本的なことを日々しっかり見直すようにしてください。どうか、健康に新年をお迎えくださいますよう。

(防災士・アール)

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