【天体観察】12月のトピックスは「流星群」と「ラストダンス」

11月29日には「火球が見えた!」と話題になりました。「満月のような」と表現されるほど明るく空を照らし、見応えも抜群で、ご覧になった方は興奮されたのではないでしょうか。

さて、2020年も残り1ヶ月となりました。今年は新型コロナウイルスの影響で、緊急事態宣言、新しい生活様式、自粛、移動制限…これまでに経験したことのないさまざまな事態があり、年末も差し迫った現在も、未だその出口がハッキリとは見えない状況です。
でも、こんな中でも時間はいつもと同じように過ぎ、季節は移り変わって星空も冬を迎えています。

画像:国立天文台HP

ペガスス座の胴体を表す4つの星(アルフェラッツ・シェアト・アルゲニブ・マルカブ)で構成される秋の大四辺もまだ存在感が強い中、東の空には冬の大三角が。冬の大三角といえば、明るい1等星の3つの星(シリウス・プロキオン・ペテルギウス)で構成されています。このうち、ペテルギウスはオリオン座のひとつでもあるので、冬の大三角を探すにはまず、三つ並んだ星(オリオン座のシンボル)を見つけるとよいでしょう。

■大注目!ふたご座流星群

2020年の締めくくりともいうべき12月の星空のトピックはなんといっても「ふたご座流星群」がピークを迎える12月13日前後でしょう。比較的良い条件で観察ができますので、期待が高まりますね。ふたご座流星群については、後日またお伝えしたいと思います。

■見られるのはほんのわずかな時間!木星と土星の接近

夏に見頃を迎え、夜空を華やかにしてくれていた木星と土星を観察する最後のチャンス。そしてライトダンスのように接近して沈んでいきます。太陽が沈んだら南西の低い空を観てみましょう。

画像:国立天文台HP

■日本では観られない…けれど日食も

12月15日は皆既日食です。が!残念ながら日本では観ることができません。この日食を観ることができるのは南太平洋・南米・南大西洋など。今年は移動もままならないと思いますので、当日は実際に目にすることはできないけれど、南半球の絶景を思い浮かべながら太陽が隠れる様子を想像して、次のチャンスに思いを馳せてみてください!

このところ気温が下がり、風は強めで乾燥もしていますので、夜空を観察するときは防寒対策や乾燥対策などもお忘れなく!

(コラム担当・F)

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