天体観測〜 火球だけじゃない!7月の夜空は太陽系惑星に注目!

7月2日、多くの人が就寝中だったと思われる午前2時半頃、東京の夜空に火球と見られる光と音が確認され、大きな話題になっています。梅雨時期といえば空は雲に覆われて目隠しされた状態が多く、目を向ける方が少ないかもしれませんが、まさかこんなニュースが飛び込んでくるとは!星が見えなさそうな夜でも空に注意を向けなきゃ!と思えるできごとでしたね。さて、7月の天体観測情報をお伝えしたいと思います。

■7月はズバリ!惑星観察月間

地球も太陽系の惑星のひとつということはご周知の通りです。全宇宙と比較すると、同じ太陽系に属する他の惑星は「近い」存在かもしれませんが、さまざまな条件があり全部を一度に見られることは滅多にありません。ところが今月(7月)下旬の明け方に、惑星が勢ぞろいするタイミングがやってきます。

画像:国立天文台HP

*木星・土星は空が暗い時間帯に観察を始めるとよいでしょう
*水星が見やすいのは23日〜28日
*6日〜19日は「月」とのコラボレーションも楽しめます

※惑星ではあるけれど・・・天王星と海王星はとても暗いので、肉眼で見るのは不可能です。正確な位置を把握し、空が十分に暗い環境で双眼鏡などを使うと見ることができます。

<惑星ピックアップ 金星>

画像:国立天文台HP

7月上旬は金星が見頃を迎えます。徐々に高度が高くなり、7月10日には明るさが最大(最大光度)になります。ちょうどこの頃、双眼鏡で金星を見ると三日月のように欠けている姿を見ることができます。
<注意!> 肉眼はもちろん、双眼鏡でも絶対に太陽を見ないよう注意してください!

<惑星ピックアップ 木星・土星>

太陽系惑星の中で、大きさでいうとツートップの木星と土星が、今月「衝(しょう)」を迎えます。「衝」とは、地球から見て太陽と真反対の位置になる瞬間のことです。このとき、地球と惑星の距離は近くなるため、明るく大きく見えます。

画像:国立天文台HP

木星の美しい縞(しま)模様を見るには、望遠鏡を使うと良いでしょう。ガリレオが発見した衛星も見えたら感動もひとしおだと思います。

土星の環(わ)を見るにも、やはり望遠鏡を使うことをお勧めします。環をもつ惑星は他にもありますが、ご家庭用の望遠鏡で見ることができるのは土星だけです。
ちなみに土星の環は約15年周期で傾きが変わり、大きく開いて見える時期とほとんど見えない時期があります。2017年をピークに開き方が年々小さくなっており、2025年には環を真横から見る=ほとんど見えない状態に。次に環が大きく開いて見えるのは2033年頃となりますので、できれば今のうちに見ておきましょう!

画像:国立天文台HP

ソーシャルディスタンスを保ちつつ、夜間の備えを完備し、マナーを守りながら星空観察を楽しんでくださいね。観察時にはくれぐれも「太陽を見ない」よう、細心のご注意を!

(アール)

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