新型コロナウイルスの感染対策のため、政府が「緊急事態宣言」を発令し長い自粛生活が続きました。5月末に宣言は解除され、その後少しずつさまざまなことが緩和されつつありますが自粛や移動制限が緩和されたとはいえ、ウイルスが完全になくなったわけではありません。「新しい生活様式」を意識・実行することが求められており、全面的な開放感とは言えない状態でもありますね。
以前は気にならなかったことがすごく気になるようになってしまった、なんとなくまだ人混みが怖い、満員電車が息苦しい…等々、息苦しさを感じながら過ごしている人もいらっしゃるのではないでしょうか。きょうは「笑う」をテーマにお伝えします。
■笑うと免疫力がアップするって本当?
私たちの身体には「NK(ナチュラルキラー)細胞」という細胞があります。白血球の一種で、悪影響を及ぼす細胞を攻撃してくれる身体の防衛機能として活躍してくれています。NK細胞は笑うと活性化=つまり免疫力もアップするといわれているようです。
■笑いは自律神経のバランスを整える!?
交感神経(ストレス)・副交感神経(リラックス)が交互に優位になって「自律神経」のバランスを整えてくれていることは、以前もコラムでお伝えしました。自律神経のバランスが乱れると全身に影響が及び、思わぬ不調につながります。
コロナ疲れや閉塞感、緊張が高まった状態が続くと「交感神経」が優位になります。これを「笑って」副交感神経にスイッチさせようというのが、今回お伝えしたいことの主旨になります。
■笑うとどうなる?具体例
「腹式呼吸」という言葉をご存知でしょうか。起きて活動している時は意識せずに「胸式呼吸」をしていますが、ヨガなどのときは「腹式呼吸」を意識します。また、睡眠時には意識せず「腹式呼吸」になっています。リラックスしている状態の時は「腹式呼吸」、笑うと腹式呼吸になり、取り込まれる酸素の量は深呼吸の2倍、通常呼吸の3〜4倍近くにもなるといわれています。
ちなみに、脳はストレスを受けると興奮状態になって酸素の消費量が増加します。こうして脳が酸素不足になってしまうのです。笑って酸素を大量に取り込むことが脳にとっても大事、ということがわかりますね。
■3つある、笑いの種類とは
「笑う」には下記のように3つの種類があるといわれています。
1) 楽しいとき・面白い!と感じたときに出る「快の笑い」
2) コミュニケーションの場で出る「社交場の笑い」
3) 緊張状態がほぐれてほっとした時などに出る「緊張緩和の笑い」
2番目のコミュニケーションの場で出る「社交場の笑い」は、ビジネスシーンや、いわゆる「お付き合い」に必要なことが多いでしょう。中には顔で笑って心は・・・ということもあるかもしれません。心身にとって一番効果がありそうなのは3番目の「緊張緩和の笑い」ですね。
■最近、笑ってないな、と感じる人に。笑うためのトレーニング
そうは言っても「笑う」ことをあまりに意識しすぎるとかえってぎこちなくなったりします。ソーシャルディスタンスや自粛で「社交場の笑い」さえ遠のいて、と言う方も少なくないかもしれません。「笑い」やすくなるためのトレーニングをご紹介します。
*顔の筋肉(表情筋)をほぐす
口をできる限り大きく開けて「あ・い・う・え・お」のように動かす(声は出さなくてOK)。
鼻の下をぐ〜っと伸ばす、口を横に思いっきり広げてみる、など顔全体の筋肉を大きく動かしましょう。
*「大笑い」チャレンジ
作り笑いなどの「演技」でもよいので、笑うという行為を1分間程度続けてやってみる。これは演技者でないとすごく大変で難しいかもしれませんが、自分が大笑いできるポイントやきっかけを掴めるかもしれません。
*笑える動画・映像などを視聴
例えば「笑える映画」など検索して、笑えそうな作品や動画を観るのも一案です。
笑うことを敢えて意識する機会はなかなかないと思いますが、是非この機会に積極的に笑ってみてください。
(アール)