緊急事態宣言・自粛・外出制限…できる限り他者との接触を避け、ソーシャルディスタンスを守る、となると自宅にいるのが一番。「緊急事態宣言」が東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に4月8日に発令され、その範囲が全国に拡大したのが4月17日のこと。5月14日には39県で宣言が解除され、続いて23日午前0時に関西3府県も解除され、残る地域も解除まであと一歩といった状況になりました。(5月23日時点)
長い「巣篭もり」生活で運動不足を感じた方、これを機に!と運動を始められた方も多いと思います。太っちゃった!を夏までに解消したいと、これから頑張る方のために役立ちそうな、運動に関するちょっとした注意ポイントをお伝えしたいと思います。
<起床後すぐの運動は要注意!>
暑くなってくる時期ですと、特に太陽の力があまりない早朝に運動したくなる気持ちはとてもわかりますが、起き抜けの運動にはいくつか注意点があります。
・自律神経スイッチがオンになるまで!
以前「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」の話題(気温の急降下・急上昇でケンカが増える!? 温度差が大きい日はご用心!)に触れましたが、このホメオスタシスを保つために大きく関わっているのが自律神経です。自律神経は「交感神経/緊張状態」と「副交感神経/緩和状態」が交互に優位になってバランスをとりながら機能しています。
主に昼間は交感神経が優位、夜は副交感神経が優位になります。入浴や睡眠などは、副交感神経が優位になり「心臓の働きを抑える・血圧を下げる・消化を促す・排泄を促す・筋肉を弛緩させる」など、リラックスモードに入っています。
ここから交感神経優位モードに切り替わるまでにある程度の時間が必要で、起床してすぐは、目は覚めていても身体が完全に目覚めている状態とは言えません。この状態でいきなり運動をしてしまうと、心臓や血管に大きな負担をかけることになりますし、筋肉の動きが鈍っているため怪我をしやすいというリスクもあります。
・空腹時の運動は命取りになる可能性も?
基礎代謝、という言葉をご存知でしょうか。私たちヒトの身体が機能するために消費するエネルギーで、睡眠中でも生命維持のための活動が行われています。代謝にはこの「基礎代謝」、運動による「活動代謝」、食事した際の消化による「食事誘発性熱生産」の3種類がありますが、最も大きな割合を占めるのが基礎代謝です。
つまり、睡眠中も活動し、必要なエネルギーが使われているので、起床した直後には血糖値が低く、睡眠中の発汗や呼吸などにより水分も少なくなっている状態です。
この状態のまま運動すると、血液が濃縮状態になって心臓に負担をかけたり、血栓ができやすい状態になる可能性もありますし、一気に多くのエネルギーが必要な状態になってしまうため脳に栄養が届きにくく、集中力の低下やめまいの可能性も否めません。つまり「安心して運動できる」とは言えない状態に。運動すると決めた日は少し早めに起きて、まずは水分と朝食をとり、1時間程度経過してから運動するのが良いでしょう。
(健康管理士・アール)