ガリレオ衛星も見えるかも!6月は木星と水星を観る最高のチャンス月間

このところ、晴れた日に夜空を見上げると、キラキラとまぶしいほど輝く木星を比較的簡単に見つけることができます。木星は6月11日に「衝」を迎えるため、大きく明るく見えるのです。

画像:国立天文台HP

「衝」というのは、地球から見たときに、太陽系の惑星が太陽とちょうど反対の位置になる瞬間のことです。この状態のときの惑星は地球からの距離が近く、他のときと比べて大きく明るく見えます。また、日没頃から翌朝の日の出までずっと観察することができるので「衝」の前後の惑星は、絶好の見頃となるのです。

画像:国立天文台HP

■木星の衛星も観よう!

木星には80個近くの衛星があることが知られていますが、中でも存在感の大きなガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星「イオ」「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」は、さすがに肉眼では難しいけれど家庭用の望遠鏡で観ることができます(性能や条件にもよりますが)。
観察を続けると、これらの衛星が木星の周りでお互いの位置を変えていく様子も知ることができるでしょう。

この「ガリレオ衛星」に関しては、調べてみるととても興味深いエピソードが満載です。「ガリレオ衛星」と名付けられたのは、この衛星を発見したかの有名な天文学者・ガリレオ・ガリレイにちなんで名付けられたものですが、それぞれの衛星の名付け親となっているのは、シモン・マリウス・・・この人は、自分こそ衛星を発見した第一人者だ!と主張した人です。また衛星の名前のひとつ「イオ」とは、ギリシア神話では全能の神・ゼウスの愛人、ということになっているとか。木星の観察に、こういったちょっとした知識があるとさらに興味深く観ることができるかもしれませんね。

■水星探しも6月の楽しみに!

さて、一方西の空では水星も見頃を迎えています。太陽系の惑星のうち、一番太陽に近い位置にある水星は、普段は高度が低く見つけることが難しい惑星です。
ところが6月24日、東方最大離角を迎えるにあたって高度が高くなり、見つけやすい状態になります。

画像:国立天文台HP

<水星の見つけ方>

① 日没直後、西側にさえぎるもののない場所で真西の方位を確認する
② 真西がわかったら、地平線から10度ほどの高度のあたりを双眼鏡で見る
※一般的な双眼鏡は7度くらいの視野のものが多いので、地平線すれすれのところを探すとよい

<注意!>
くれぐれも双眼鏡で太陽を見ないようにご注意ください!

5月に「真夏がやってきたか!?」と思うような暑い日もありましたが、季節はこれから梅雨。空には雲が多い日が続く可能性もありますが、晴れた夜には空を見上げてみてくださいね。

(アール)

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