「西のフグ、東のアンコウ」とも言われ、特に関東で人気の高いアンコウは寒い時期が旬。「吊るし切り」という独特のスタイルでさばかれるのを、テレビなどで見かけることがありますよね。なぜアンコウはあのように処理されるのでしょう?
アンコウは身体の80%が水分でプヨプヨしており、しかもヌルヌルしていてつかみにくく包丁が滑ってしまう。その上大きな身体で、まな板など何かに置いて作業するには扱いづらい…ということで、あのように吊るして処理することに。こうすることで「七つ道具」と呼ばれる大事な臓器を傷つけずに切り取ることができるんだそうです。ちなみに「七つ道具」とは
ヤナギ…身(柳肉とも呼ばれる。淡白な白身が特徴)
カワ…皮(ゼラチン質で代表的な部位)
水袋…胃(歯のようなギザギザがある)
キモ…肝臓(アンキモ。海のフォアグラとも呼ばれる)
ヌノ…卵巣(フンドシとも呼ばれる。平たい形)
エラ…えら(アンコウ鍋のダシに)
トモ…尾・胸部のヒレ(ゼラチン質でダシに)
骨や歯などの硬いところ以外はすべて食べることができると言われており、低カロリーで栄養価が豊富と、人気なのもうなずけますね。
アンコウは、平べったい見た目から深海魚のように思われがちですが、深海域に暮らしているのは夜型のチョウチンアンコウで、食用とされているアンコウ(ホンアンコウ・クツアンコウが代表的)は水深30~500mで生息しています。
メスのほうがオスよりも成長が早くて大きくなるため、普段食べられているのはメスだけとか。肉食で他の魚を捕らえてエサとしているようですが、海外では「アンコウの胃の中から鳥が出てきた」なんて報告も。なんとも興味深いサカナです。
こんにちは、アールです。アンコウは知人の依頼で調理を手伝ったことがあったのですが、パーツだけになった塊と対面したときは、とても食べる気にはなれませんでした。が!「持ってっていいよ」と渡されたキモを、自家製アンキモにして食べたときの衝撃ったら!!!!←(!)を無限につけたくなるほど美味でした!今年も「旬のサカナ」をよろしくお願いいたします。