日本海側と太平洋側で異なる降雪の原因

多量の積雪が予想される地域は、豪雪地帯または特別豪雪地帯に指定されています。その指定地域を確認すると、特に特別豪雪地帯に関しては日本海側に集中しています。日本は長く連なる山脈により日本海側と太平洋側に分断されているため、降雪の原因も日本海側と太平洋側で異なるのです。

大雪に見舞われるのは主に日本海側

冬場、日本の西側は高気圧、東側は低気圧(西高東低)に覆われる機会が増加します。西側の高気圧から東側の低気圧へと北西季節風が吹いており、それが山脈に衝突すると大量の雪雲が発生。それらの雪雲は日本海側に降雪をもたらすものの、一方の太平洋側にはほとんど降雪をもたらしません。そのため、特別豪雪地帯は日本海側に集中しているのです。

ただし、北西季節風の影響が太平洋側に及ぶこともあり、その際は日本海側と同様、太平洋側も降雪に見舞われます。また、本州の南岸を低気圧が通過した場合、やはり太平洋側は降雪に見舞われることがあるため注意しなければなりません。事実、2014年2月13日に発生した低気圧が本州の南岸を通過した結果、2月14日から同月19日にかけて、関東甲信地方や東北地方の太平洋側で大雪が発生。それにより24名もの方が命を落としているのです。

大雪の発生に備えよう

雪害による死者(行方不明者も含む)は、2011年は125名、2012年は138名、2013年は103名。毎年、多数の方が雪害により命を落としているのです。そのような被害に遭わないためにも、特に豪雪地帯に住んでいる約2,000万人の方は、大雪の季節を控えた今から対策を講じておきましょう。

なお、雪害による死者のうち多数を占めるのは、除雪作業中の事故によるもの。ハシゴを含む除雪用具の点検、屋根からの落下を防ぐ命綱や頭部を守るヘルメットの準備は、早めに済ませておきましょう。そのほか、降雪が始まる時季は、スノータイヤやタイヤチェーンを未装着の車も多いため、スリップによる追突事故や人身事故が多発します。車を運転する方は、スノータイヤやタイヤチェーンの早期装着を心掛けましょう。

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大雪に見舞われた新潟県中魚沼郡津南町の様子。同地は特別豪雪地帯に指定されている。

※参考資料

 

気象庁:雪に関する予報と気象情報について

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/koushu121207/shiryou2.pdf

 

松江地方気象台:冬の天気

http://www.jma-net.go.jp/matsue/chisiki/column/cloud/winter.html

 

仙台管区気象台:東北地方の気候

http://www.jma-net.go.jp/sendai/wadai/touhokukikou/kikou_Huyu.html

 

東京海上日動:大雪のメカニズム

http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/egao/taio/gousetsu/mechanism.html

 

気象庁:発達した低気圧による大雪・暴風雪 平成26年(2014年)2月14日~2月19日

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2014/20140214/20140214.html

 

内閣府:特集 大雪に備える

http://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h24/69/special_01.html

 

首相官邸:雪害では、どのような災害が起こるのか

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/setsugai.html

 

消防庁:雪害に対する備え

http://www.fdma.go.jp/ugoki/h2612/2612_33.pdf

 

新潟県警察:冬道の安全走行

http://www.police.pref.niigata.jp/anzen/fuyumiti24/

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