台風は北太平洋の南西部で発生します。その後、次第に北上しますが、常に真っ直ぐ進むわけではありません。途中で進路を大きく変更するのです。その理由は一体何なのでしょうか。
台風の転向と転向点とは?
そもそも台風は、地球の自転の影響を受けて、北上するという性質があります。しかし、台風の進路予報などを見ると、左に大きく湾曲しながら北上していることに気付くでしょう。それは台風が、上空を吹く風に流されているから。
日本に接近・上陸する台風のほとんどは、熱帯の海上で発生後、偏東風に乗って、西に流されながら北上します。やがて日本の南海、中緯度付近に到達すると、台風は進路を変更。そこでは偏西風が吹いているため、今度は東に流されながら北上するのです。その後、台風は日本の上空や日本付近などを通過。そのまま北東の方向に抜けていきます。
ちなみに、台風がこのように進路を変更することは「転向」と呼ばれており、台風が進路を変更する地点は「転向点」と呼ばれています。なお、台風は転向する際、一時的にスピードが遅くなって同じ場所に停滞する傾向にあります。台風が停滞するということは、大雨や暴風など台風による被害が増加するということ。
実際に沖縄や九州などでは夏から秋にかけての台風シーズンに、台風の転向点に位置することがあり、しばしば数日~1週間程度と長い期間にわたって台風の被害を受けることがあります。進路図の予想を見るとき、自分の住んでいる地域が台風の進む方向が変わるポイント、【転向点】にあたるかどうか確認することも大切です。
※参考資料
気象庁「台風とは」
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-1.html