お祝い事があると登場する「鯛」。一年中馴染みの深い魚ですが、旬は一体いつなの?というと、2~4月だそう。4月を旬とする「桜鯛」という言葉があるのは、ちょうどこの頃産卵のために沖から浜辺に近づいてきて、よく獲れるからとも。てっきり鯛の色を表しているのだと思っていました。「桜鯛」なんとも晴々と春らしい響きですよね。
このように時期を表す「○○鯛」の他、サカナの仲間には「□□タイ」が結構たくさんいます。めでたいといえば鯛。かなり良い扱い(?)を受けている鯛に、それこそ「あやかりタイ」かどうかは別として、日本国内で200~300も「□□タイ」の名があるとか。メジャーどころでいうと、アマダイ、イシダイ、キンメダイあたりでしょうか。これらはすべて「鯛」ではなく別の科目のサカナです。
鯛がもてはやされるのは美しい形と色味によるとの説が濃厚で、お祝いには鯛という文化はかなり昔から定着していたようです。コリッと歯ごたえのある透き通ったお刺身はもちろん、尾頭付きと呼ばれる姿焼きまでその姿は日本人の記憶の遺伝子にハレの日と結びついているのかもしれませんね。
ところで、こうしたキング・オブ・サカナの鯛に、実にユニークな特徴があることがわかりました。なんと、鯛は性転換する生物だったのです!種別によって、大体2~4年程度で赤い鯛はメスからオスへ、黒い鯛はオスからメスへ。一生メスのまま過ごす固体もいるらしいですが、それにしてもミラクルな事実にびっくりです。ちなみに色々調べていくと、性転換するサカナは他にも結構いるようですね。海の不思議か、生命の神秘か…いや、美味しければオスでもメスでもなんでもいい!
こんにちは、アールです。いろんなサカナをさばきましたが、鯛を目の前にすると緊張します。鯛を購入して帰宅するとまずは惚れ惚れと気が済むまで(けど急いで)観賞し、殆ど儀式みたいな気持ちで丁寧にウロコを取り除き、いつもより真剣に研いだ包丁で深呼吸してから刃を入れました。「鯛」というサカナの存在感に圧倒されるせいかもしれませんね。