天体観測〜4月8日、2020年で一番大きな満月(スーパームーン)が

4月に入りました。1月末から世界中がコロナ危機一色になり、不安を抱えながら過ごさざるを得ない状況です。なかなか収束が見えずいまも油断はできませんが、暗いニュースばかりではありません。観測史上最も早い桜の開花、春分も過ぎて夏至に向かって昼間の時間が長くなりつつあり、季節は着々と進んでいます。夜空には「春の大曲線」「春の大三角形」が見られるようになります。さて今月の天体観測のハイライトは?

■4月の満月はスーパームーン

地球と月の距離が変化していることについては、過去にも紹介させていただきました。簡単におさらいすると、月はおよそ28日かけて地球の周りを公転しており、その軌道は楕円形で地球と月の距離は一定ではないこと、月の軌道は太陽や地球などの重力の影響でわずかに変化し、近地点や遠地点の距離も変化すること(下図参照)。距離が近いと大きく、遠いと小さく見え、最も大きな満月は最も小さな満月に比べて、14%大きく、30%明るく見えます。

画像:国立天文台HP

今月8日の満月は2020年の満月の中で地球に最も近い満月です。ちなみに一番遠くなるのは10月31日の満月。10月は2日と31日の2回満月がある月で、31日の「一番遠い満月」はブルームーンと呼ばれる満月でもあります。(※ブルームーンについては定義がいくつかありますので、あくまで愛称ということでご紹介です。)

画像:国立天文台HP

一番近い月と遠い月の、地球から見た大きさの違いはこんな感じです(上画像)。でも実際にはこうして見比べることはできないので「大きさが違う実感」を得るのは難しいですね。
それから、もうひとつ・・・地平線に近い月が大きく見えるのは、近い・遠いではなくて目の錯覚ですので、混同しないようにご注意くださいね!

■月と惑星のコラボレーション

空が明るくなる時間帯がどんどん早くなっていますが、4月半ばには、夜明け前の南東の空に注目です。15日〜17日にかけて、木星・土星・火星の3つの惑星によりそうような月を見ることができます。

画像:国立天文台HP

■金星がマブシイ!

「宵の明星」として親しまれる金星は、4月28日に最大光度に達する予定でかなり明るく輝いているのを見ることができます。

画像:国立天文台HP

ほんのり太陽の明るさが残る西の空は、見事なまでの色彩のグラデーション。この空を背景にキラキラと瞬く金星と新月前の細い月が並んでいるのを見られるのは日没後の数分間です。お見逃しなく!

(アール)

 

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