スズメバチに関する注意の記事「絶対に近寄っちゃダメ!スズメバチの危険から身を守るには」をアップさせていただいておりますが、気をつけるべきハチはスズメバチに限りません。 私たちの身の回りにはスズメバチ以外にも、アシナガバチやミツバチなどのハチが存在します。春から夏にかけて活動が活発になり、例えば庭や軒下など、住空間に巣がある場合、発見が遅れると撤去もかなり大変な作業になってしまいます。7月末、実際にキアシナガバチを撤去した編集部員のレポートと、ハチ駆除専門業者「みんなのハチ駆除屋さん」に伺ったお話を共有させていただきます。
実は猛毒をもっている!アシナガバチにも注意を
スズメバチに関しては、メディアなどでもかなり取り上げられていますが、気をつけなくてはならないのはスズメバチだけではありません。とくにアシナガバチは要注意!スズメバチと同じように“連続で刺す”ことができますし、その毒が強くてアナフィラキシーショックを引き起こすことも。また、一部の種類のアシナガバチに刺されるとスズメバチを凌ぐ痛みと言われているそうです!
アシナガバチの特徴
・スズメバチに比べれば細身
・穏やかな性格で、攻撃性は低い
(↑巣を守るためには防衛・攻撃する)
・体長は 20~26mm
・素早い動きは苦手
こんな場所に要注意!ハチが巣を作りやすい場所は?
ハチは雨や風をしのげる場所に巣を作ります。家の周りでいうと、例えばウッドデッキの下や軒下など。巣を作り始める時期にはこまめな確認が大事ですね。庭木の枝、葉の陰に作られた巣に気づかずに雑草の伐採作業をしてハチに襲われたケースもあります。庭の手入れもあまり日を開けずにした方がよいですね。
【実録ルポ①】 私の場合も「梅雨明けして、やっと庭の手入れができた日」にハチの巣を発見、という流れでした。それは庭の低木の葉の陰ですでにある程度の大きさになっており、働きバチが2〜3匹、巣の周りに張り付いていました。木の周りには雑草が生い茂り、伐採して初めて巣に気づいたんです。襲われなくてよかった!
ハチ駆除のピークは梅雨明け
ハチの活動は4月後半から12月頃まで。全国で駆除の依頼があり、梅雨が明けると一気にピークがやってきます。ピーク時には1日約1,000件の問合せがありますね。 例えばラニーニャ現象や気温差が激しい、いきなり暑くなるなど、気象状況によってハチの動向にも変化があります。
アシナガバチの生活サイクル
アシナガバチの女王バチは4月〜5月にかけて冬眠から目覚めます。6月頃には女王蜂が1〜3つ程度の巣穴を単独でコツコツ作ってそこに卵を産み付けます。その卵たちが20日前後で幼虫から成虫に。およそ1ヶ月後(7月頃)から働きバチが動き始め、女王バチは卵を産むことに専念します。 こうなってくると、働きバチが幼虫の世話をしたり、巣作りをしたりし始めます。生まれてきたたくさんのハチの中から生命力が強いハチを選んで、新女王バチに任命し、冬を越せるようにみんな(働きバチ)で大事に育てます。働きバチと女王バチは死に絶え、新女王バチだけが冬を越します。新しい女王バチは春になると、また同じように自分の巣を作り、巣を作った女王バチから新女王バチに遺伝子が引き継がれていくのです。このサイクルはスズメバチとアシナガバチだけで、ミツバチは全員で冬を越します。 働きバチですが、発見したときは5〜6匹に見えるかもしれませんが、すぐに卵が孵り、どんどん増えていきます。
【実録ルポ②】 確かに、最初に見つけたときは2〜3匹だった働きバチが1週間もしないうちに5〜6匹に増えていました!巣も一回り以上大きくなっていて、駆除していただいた巣をみると、中に卵や幼虫がギッシリ!
気づいたらすぐ駆除を!
女王バチだけで巣を作っている段階(作り始め)の頃は、素人でも気をつけるべきことをきっちり注意すれば撤去はできなくはないかもしれませんが、 防護服(全身) 専用器具 などを揃えて、比較的やりやすいとされる夜間に自分で作業するのはとても大変です。発見したら即!迷うことなく専門業者に連絡・問合せをするのがオススメ。グズグズしていると、瞬く間に働きバチが増えますよ!
【実録ルポ③】 お隣さんにも避難を呼びかけ、専門家に駆除してもらいましたが、働きバチが攻撃している様子も見てしまいました。ちなみに業者さんが駆除の時に一番気をつけるのは「防護服を脱いだとき、後ろから刺されないように注意する」だそうです!怖すぎ!!
↑こちらは駆除中の写真です。自分は窓の内側にいたので安全でしたが、まさにヒーローのような後ろ姿でした。「みんなのハチ駆除屋さん」、ありがとうございました!
取材協力:みんなのハチ駆除屋さん
(アール)