昨年(2017年)、海外から運ばれてきたコンテナにいたヒアリ類(ヒアリとアカカミアリ)が国内に侵入したことがニュースで大きく取り上げられました。今年も同じようにヒアリの侵入・発見情報が報じられています。また、ヒアリだけでなく数年前にはセアカゴケグモ(毒グモ)の被害情報などがたびたび話題になりました。
これらの生物は「外来生物」です。外来生物は、法律で「海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物」と定義されています。
もともと日本以外の場所に生息していた生物が、日本に何らかの理由でやってきてしまい、それが自然界に逃げ出してしまうとどうなるでしょう?
人間への被害はもちろん、日本の生態系や農作物に被害を与える可能性があります。環境の違いなどから生息や繁殖が難しいケースも多いそうですが、そのまま定着することができる生物もいるようです。
ヒアリ類やセアカゴケグモなどは、人の生命・身体への被害が報告されており、危険な外来生物として注意を呼びかける必要があります。
■どうやって見分ければよい?
ヒアリは赤っぽい色をしており、土でできたアリ塚を作ります。身体的にもいくつか特徴がありますが、アリは小さな生物です。今目の前にいるアリがヒアリかそうでないかを区別することは、素人には難しいと考えるほうがよいでしょう。重要なのはアリを素手で触ったり、アリ塚をつついたりしないこと。ヒアリじゃなくても、アリに噛まれたら痛いですし、しばらくチクチク痛みます。
■ヒアリに刺されたら死ぬって本当?
ヒアリは毒針をもっていて、人を刺した実績が多い危険な外来生物の仲間です。ですが、刺されたら必ず死ぬということではないようで、落ち着いて対処することがもっとも重要です。アリ塚を踏まないように注意する!万が一間違えてアリ塚を踏んでしまい、大量のアリが出てきて身体にまとわりついたら、手足を強く振って払い落としましょう。
■それでも刺されてしまったら!
海外のヒアリの毒による死亡例は、アレルギー反応(アナフィラキシーショック)によるものだそうです。刺されてから20~30分以内に、頭痛・動悸・吐き気などで気分が悪くなる、じんましんが出るなどの症状があれば、急いで治療をしてもらいましょう。皮膚科・内科・小児科などで対応できるそうです。また、アレルギー反応は初めて刺されたときに出やすいようです。アレルギー症状が出なければ市販の虫刺され用薬等を塗っておけばよいとのことですが、心配な人は病院に行きましょう。
■ヒアリと闘ってくれるのは日本のアリ!?
ヒアリのニュースが報道された後は、全国各地でアリの駆除剤が品切れになるほど売れたそうですが、これを乱用すると日本に本来いる普通のアリも全部殺してしまうことになりかねません。実はこの日本のアリたちが、外来種のヒアリと闘ってくれる大事なアリであることも、覚えておいてくださいね。
(アール)