2022年のさくら、開花とお花見はいつが最適?

初夏を思わせるような気温の日もあれば、3月なのに降雪!なんて驚く日もあり、まるで台風のような強風が吹き荒れたり、お天気が目まぐるしく変わり、季節のうつろいを感じさせる時期ですね。各地でさくら開花の一報があったかと思えば、それからいく日も経たないうちに満開が伝えられます。強風や雨でせっかくのさくらが散ってしまうのでは…と、気になって仕方がない人もいらっしゃるかも。

日本のさくらは10種類程度あるといわれますが、中でも一番有名で認知度が高く見る機会が多いのは、なんといっても「ソメイヨシノ」でしょう。九州から北海道まで、さくらの名所とされる場所に植わっているのはソメイヨシノです。このソメイヨシノ、日本にある樹は全部クローンだった!? なんて話題になっていたことをご存知でしょうか。

植物は「接木」や「挿し木」で増やすことが多く、さくらは「接木」という手法で増殖させます。いや、待てよ? さくらも花が咲くんだから、受粉させてできた実から種をとればいいんじゃないの?・・・と思ってしまいそうですが、なんと!その種から育った樹はソメイヨシノではなくなるらしいのです。ちょっと頭が混乱してしまいそうですよね。これを正確に知るには複雑な遺伝子学の知識がないとわかりづらいのですが、いずれにしてもソメイヨシノとは違った花が咲いてしまうのはいただけない、というわけで、日本全国各地で育っているソメイヨシノは元はと言えば全部ひとつの樹から生まれたクローンなんです。

さくらの開花日とされる定義は“標本木で5~6輪以上の花が開いた状態となった最初の日”のことで、いわゆる「咲きはじめ」ということになります。気象庁HPに掲載されている「生物季節観測指針」によると開花と満開は下記のように書いてあります。

さくらは、開花と満開を観測する。標本木に5~6輪の花が咲いた日を開花日とする。なお、胴咲き(枝ではなく幹や根から咲く)による開花は、通常の開花とは異なるプロセスによると考えらえることから、5~6輪に含めない。また、咲き揃ったときの約80%以上が咲いた状態(同時に咲いている状態である必要はない)となった日を満開日として観測する。

ちなみに過去5年間の開花日・満開日と平年値(1991〜2020年の平均値)を下記にまとめてみました。(データ参照:気象庁HP)

今年についてはまだ開花が発表されていない地域もありますが、過去5年間と平年値を見比べながら開花と満開の日を予想してみてください。これらは「標本木」の状況によるものですので、お住まいの地域とは少し異なっている場合があるかもしれません。「開花って言っているけれどうちの近所はまだだなあ」とか「満開の声が聞こえないからうかうかしてたら近所のさくらを見逃してしまった!」なんてことも多々ありそうですので、さくらの名所はもちろん見応えがありますが、歩いて観に行ける、通勤・通学の途中にある近所のさくらを愛でるのもなかなか楽しいものです。ご自身やご家族の標本木を決めて観察してみるのも良いかも!

お花見の時期の夜は冷えますので、防寒対策をしっかりして楽しんでくださいね。今年もあまり開放的にはなれない花見になりそうですが、いずれにしても天気は気になるところ。毎日の天気はライフレンジャーでこまめにご確認ください。

(コラム担当:F)

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