さくらが一斉に咲くのは「全部クローン」だから、という仰天事実!

今年は去年より早い?いつもより遅い?などなど、毎年この時期に気象会社から一斉に発表される「さくら開花予報」。天気が変わりやすい時期でもあり、お花見担当の方は毎日カレンダーと天気予報のチェックが大変!ではないでしょうか。

さて、この「さくら」に関する話題を。
日本産のサクラは、9~10種類あるといわれます。中でもお花見の定番中の定番、みんなから一番よく観られているのは「ソメイヨシノ」です。九州から北海道まで、さくらの名所とされる場所にはこのソメイヨシノが植わっています。この「ソメイヨシノ」は、日本にあるすべての樹が実は全部クローンだった!と話題になっていたのをご存知でしょうか。

さくらをはじめ、多くの植物は「接木」や「挿し木」で増やすことがとても多く、さくらは「接木」という手法で増殖させます。花が咲いているんだから、受粉させてできた実から種をとるんじゃないの?・・・いいえ、違うんです。なんと、その種で育った樹はソメイヨシノではなくなるらしいのです!正確には、ちょっと複雑な遺伝子学の知識がないとわかりづらくなりますが、いずれにしてもソメイヨシノとは違った花が咲いてしまうのはいただけないですよね。というわけで、日本全国各地で育っているソメイヨシノ、全部ひとつの樹から生まれたクローンなんです。

「なんだ、だからさくらは一斉に開花するのか!」・・・とちょっと思ってしまったあなた、なかなかのさくら通ですね。以前コラムで「【お花見はいつまで?】全国のさくら、開花から満開までの日数一覧」この話題に触れた事がありましたが、開花日とされる定義は“標本木で5~6輪以上の花が開いた状態となった最初の日”なので「開花予想=満開」ではなく、いわゆる「咲きはじめ」ということになります。もちろんある程度の開花に必要な条件はありますが、ソメイヨシノはすべてクローンであるため、開花の時期が同じになるのもうなずける話です。

ところが、クローンであるがために残念なこともあります。ソメイヨシノが被子植物(果実や種を作る植物)として持っている性質のひとつとして「同じ樹の花は実を結ばない」ことです。だから、何百本と植えられたソメイヨシノ、樹は違っても元は同じなので実を結ばない=さくらんぼができないのはこういった理由から、なんですね。例外として、近くに違う種類のサクラの樹があれば、実をつける場合もあるようです。

ソメイヨシノにまつわるさまざまな噂や事実を知ってからお花見すると、また違って見えるかもしれないですね。お花見の時期、夜は冷えますので、鼻風邪・・・花で風邪、なんてことにならないように、防寒対策をしっかりして楽しんでくださいね。

(アール)

 

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