今年もツバメがやってきた!ツバメってどんな鳥?

素早くシャープに空を飛ぶ黒いシルエット。
ツバメの姿を街で見かけるようになると「今年もこの季節がやってきたなぁ」としみじみした気持ちになります。
季節の始まりを教えてくれるツバメについて、日本野鳥の会に詳しく伺いました!

ツバメってどんな鳥?

ツバメは全長17cmほどで、スズメと同じくらいの大きさです。背は光沢のある黒、喉と顔が赤、腹部は白、尾は長く切れ込みが入っています。夜の正礼服である「燕尾服」は、このツバメの姿からついた名前です。

ツバメの仲間は世界に80種類、日本には5種類ほど。
「ツバメ」のほか、「コシアカツバメ」、「イワツバメ」といった名前は耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

渡り鳥であるツバメが日本で生活するのは3〜10月頃。寒いところが苦手で、冬の間は暖かい東南アジアで過ごし、春になると日本に子育てをしにやってくるのです。

春から初夏の頃までは、巣作り、産卵、子育てと繁殖期として大忙し。夏の終わりには、独り立ちした若鳥たちが集まり、河川敷のヨシ原などをねぐらにして過ごすように。肌寒くなる秋口には日本から旅立っていきます。

ツバメの巣作り

ツバメと聞くと、繁殖期のツバメの巣の様子を思い出す方も多いのではないでしょうか。
ツバメの巣は、人通りがある場所、家の軒先、学校の昇降口、駅の構内、商店の出入り口などに作られることが多く、古巣が残っていると翌年も使うことがあります。

馴染みのある場所で毎年ツバメに出会えると嬉しくなりますよね。

ツバメの巣の見つけ方

ポイントを押さえて探してみると、ツバメの巣に出会える機会が増えるかもしれません。

・ツバメが電線などにとまって鳴いているところの周辺

・ツバメが出入りする建物(通りからは見えていないところをのぞくと発見できることも!)

・泥が付きやすい壁や巣を支える台があるところ

・ひさしの内側など、建物の外から見えにくいところ

・他のツバメの巣があるところの周辺

・雨がかからないところ

▲天井に近いところに作られる巣。ざらざらした壁などに泥を塗りつけて、枯れ草などを入れて塗り固めて巣を作っていきます。※繁殖期ではない時期に古巣を撮影しました。(画像:日本野鳥の会 パンフレット『ようこそツバメ』より)

▲足場にもなって安全な電灯の上の隙間に巣作りする場合も。※繁殖期ではない時期に古巣を撮影しました。(画像:日本野鳥の会 パンフレット『ようこそツバメ』より)

※観察するときは、適度な距離を保つようにし、親鳥が警戒して餌運びをやめてしまわないようにそっと短い時間で見守りましょう。

人とツバメの関係

ところで、ツバメはなぜこんなに人の近くで巣作りをするのでしょう?
元々は洞窟や岩の壁に巣を作っていたツバメですが、人々が集落を作って暮らすようになると、そこにある建物に住むように。

ツバメの天敵である蛇やカラスが人を恐れて寄りつきにくく、農耕地には巣の材料や餌となる虫が豊富だったことが理由のようです。

昔からツバメは「幸福の鳥」と捉えられてきました。
商店では商売繁盛の兆しとして、農家では害虫を食べてくれる益鳥として歓迎され「ツバメが巣を作ると縁起がいい」と言われたり、「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」といった暮らしに密着した言い伝えがあったり、私たちとツバメの密接な関係が窺える言葉も残っていますね。

ツバメは減っている?

長きにわたり良い関係性を築き上げてきた日本人とツバメですが、近年私たちの生活スタイルが大きく変化したことで、ツバメの減少が心配されています。

2021年の日本野鳥の会の調べでは、約4割の人が「ツバメが減っている」と感じていることがわかりました。特に都市部においては、郊外や農村部と比べて巣立つヒナの数が少ないことも明らかになっています。

その背景には、農業の衰退により餌場となる水田や農耕地が減ったことに加え、巣作りに適した日本家屋が減少したこともあります。
加えて、都市部では「フンが落ちて汚い」など不衛生を理由に人が巣を撤去してしまう傾向が高くなっています(ツバメなどの野鳥は法律で守られており、卵やヒナがいる巣を落とすことは違法になります。もし卵やヒナがいる巣を落とそうとしている人を見かけた時などは、お住まいの都道府県の鳥獣保護関連部署にご相談ください)。
ライフスタイルや衛生観念の変化がお互いを遠ざける結果となったようです。

雑食のカラスなどとは異なり、ツバメは飛んでいる虫を餌とします。都市部の虫の数が減少することで食糧が減ってしまうという課題もあります。

「消えゆくツバメを守ろう」

日本野鳥の会では、ツバメの子育てを見守る企業や団体に感謝状を贈呈したり、ツバメの「ねぐら入り」の観察イベントを行ったり、全国から気軽に参加できる「ツバメの子育て状況調査」などを行っています。楽しんで参加しながら、保護活動に携わる機会にもなります。

最後に、日本野鳥の会が主催する企画をいくつか紹介します。ぜひ参加してみてください。
※お出かけの際は感染症対策を十分に行い、体調にお気をつけください。

圧巻!「ねぐら入り観察会」
ツバメの集団ねぐらとは、ツバメが夜集まって眠る場所のこと。数百羽の小さなねぐらもあれば、5万、10万羽の大きなねぐらもあります。ツバメは湿地帯に育つ植物ヨシの茎や先端の葉に器用にとまって夜を過ごします。集団ねぐらとされる場所の上空では、日没前になるとたくさんのツバメが舞い、一斉にヨシ原へと降りていきます。その姿には壮大な迫力があるのだそう。これは見てみたい!
日本野鳥の会では、7〜9月の夕方にツバメのねぐら入りを観察するイベントを全国で開催中。
https://www.wbsj.org/activity/event/swallow-roost-observation/

みんなで観察!「ツバメの子育て状況調査」
ツバメの巣と子育てを観察し、何羽のヒナが無事に巣立ったか、どのような原因で子育てが失敗したのか、広く情報を集めて、ツバメの子育ての現状をくわしく知るための調査です。ツバメの巣を観察できる方なら、パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットからも気軽に参加できます。
インターネット上で簡単に「ツバメの巣マップ」を見ることができるほか、全国から届いたツバメの子育ての情報を見て比較することができます。また、多くのデータを共有することで、ツバメの子育ての傾向やツバメを取巻く環境の変化を分析することができます。
市民科学の考え方をもとに、集合知でツバメ調査を行う取り組みです。
https://tsubame.torimikke.net/

無料パンフレット「ようこそツバメ」も配布中!
ツバメの巣の探し方や観察時の注意点、見どころなど、ツバメ観察の時に知っておきたいポイントをまとめて紹介するパンフレット。
https://www.wbsj.org/activity/spread-and-education/tsubame-pamphlet/

長い歴史の中で、私たちと一緒に過ごしてきたツバメ。
現代の暮らしの中でも仲良く関わり合っていきたいものですね。

取材協力:公益財団法人 日本野鳥の会
https://www.wbsj.org/
(執筆:小俣荘子 画像:日本野鳥の会、写真AC)

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