紫外線対策は今からしっかり万全に!

3月下旬の積雪から1ヶ月も経たないうちに「夏日」という言葉が聞こえてきました。気温のアップダウンも激しく、新しい環境にも不慣れなこの時期、いつも以上に疲れを感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
やむなく取り入れることになった新しい常識や対策などには、さすがに慣れたとはいえストレスが溜まる一方ですよね。こうしたストレスの解消や身体のリズムを整えるために太陽の光を浴びることは大切ですが、その光が長く強くなっているこの時期は「紫外線対策」が必須です。紫外線には良い効用がありますが、健康や身体に悪影響を及ぼすことも知られています。これからますます強くなる紫外線について、知っておきたいポイントをまとめます。

■紫外線の性質について

太陽光には見える光(可視光線)と見えない光(紫外線・赤外線)があります。紫外線にはA・B・Cの3種類があり、そのうち地表に届いているBとAについて注意が必要です。

▼紫外線:最も可視光線から遠い順に
UV-C…大気層(オゾン層など)で吸収され、地表には到達しない。
UV-B…ほとんどは大気層(オゾンなど)で吸収されるが、一部は地表へ到達し、皮膚や眼に有害である。日焼けを起こしたり、皮膚がんの原因となる。
UV-A…UV-Bほど有害ではないが、長時間浴びた場合には健康影響が懸念されている。

この特徴から、もっとも注意が必要なのが「UV-B」です。UV-Bが地表に届く量はオゾン層の変化に影響されることがわかっていますが「オゾン層の破壊」などによって地表に届くUV-Bの増加が懸念されています。
UV-Aに関しては、UV-BやUV-Cに比べて影響は小さいものの、地表に届く量が多いために、長時間浴びると皮膚などに影響があることが懸念されます。

<日最大UVインデックス(観測値)の年間推移グラフ・2021年>(グラフ:気象庁HP)

グラフ引用:気象庁HP

上のグラフは2021年の「日最大UVインデックス(観測値)の年間推移」です。細い線で表示されているのは1990年から2021年までの累年平均値紫外線です。ピークは7~8月ですが、3月頃から増え始め、4月にはすでに「強い」を表すオレンジ色のラインあたりまで増えています。黒点で示されているのは2021年の観測値で、日によっては真夏にせまる勢いの数値であることがわかります。

グラフ引用:気象庁HP

そしてこちらが2022年のグラフ。3月末には「強い」を表すオレンジ色に達している日も。昨年同様、今年も早めの紫外線対策が必要です。
ちなみに、紫外線の強さに時間をかけたものが紫外線量になります。弱い紫外線でも長い時間浴びると、強い紫外線を短時間浴びた場合と同じ量になることがありますのでご注意ください。

また、曇りの日でも雲が薄い場合はUV-Bの80%以上が透過してしまいますし、屋外では太陽から直接届く紫外線の量と空気中で散乱して届く紫外線の量がほぼ同程度であるという説も。

*散乱とは?
太陽から地上に到達する光には、直射光と散乱光の2種類があります。
<直射光>…太陽から直接地上に達する光
<散乱光>…太陽から来た光が窒素・酸素などの空気を構成している分子やエーロゾル(エアロゾル)粒子にあたって、進行方向が変化して地上に達する光

(画像:気象庁HP)

散乱光は粒子にぶつかることで四方八方に飛び広がります。光が空気分子によって散乱する場合は、光の波長が短いほど散乱しやすくなる性質があります。晴れた空が青く見えたり宇宙から見た地球が青いのは、目に見える(可視)光の中で、波長の短い青色が強く散乱される(レイリー散乱)ため。可視光よりももっと波長が短い紫外線は、さらに散乱されやすいといえます。

■紫外線による影響

紫外線による健康への影響については各研究機関で調査・研究されており、具体的な被害についてもわかってきています。

急性的な影響
・日焼け・紫外線角膜炎・免疫機能低下
慢性的な影響
・シワ・シミ・皮膚がん・前がん症・白内障など、目への影響

シワやシミなどの見た目的なこともですが、皮膚がんや目の病気などとなると…紫外線による人体への影響はとてもこわいものだと認識しておいて間違いはないでしょう。紫外線対策は春からしっかり万全に!を心がけてください。

参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

(健康管理士:R)

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