まるで初夏を思わせるような日があったと思えば、冬に逆戻りしたような肌寒い日もあり、短い周期で天気が目まぐるしく変化しています。春の嵐が吹き荒れることもありますし、気温の上昇によって雪崩などの危険性も高まりますので、くれぐれもご注意ください!
さて、4月の夜空はどんな様子でしょうか。昼間の時間が長くなりつつありますが、日が暮れた夜空には冬の星が南〜西の空で輝いています。4月も下旬になってくると春の星が目立つようになり、星空の季節もすっかり春に。特に29日に当方最大離角となる水星は今年一番の観察のチャンス!今月は太陽系の惑星が見頃です。
■明るい2つの惑星・火星と土星が接近
今年の12月に地球に最接近する火星が徐々に明るさを増しています。この明るい火星と、土星が近づいて、4月5日の明け方頃には仲良く並んで見えます。このとき、火星と土星の見かけの間隔は約20分角で満月の中にすっぽり入ってしまう程の近さになります。白っぽく光る土星と、ピンク色に輝く火星。新生活のスタートをお祝いしてくれるような、紅白のおめでたい並びとも言えそうですね。
▼観察のポイント
星が見えるのはあまり高い位置ではないので、東から南東にかけて広く見渡せる場所で観察しましょう。日の出の1時間前頃が最も観察に適した時間ですが、星を探すのに手間取ると空が明るくなってしまうので、できればそれよりもっと前から観察を始めましょう。
<注意> 絶対に太陽を見ないようご注意を!日の出前には観察を終えるようにしてください。
■月と太陽系惑星の賑やかな饗宴
4月下旬は明け方の空で土星・火星・金星・木星が並び、月が接近していく様子を観察できます。太陽系の惑星はどの惑星も明るく、大変賑やかな様子です。特に27日の月は金星と木星に近く、明るい月とふたつの惑星がキラキラと輝き、華やかな空になりそうです。
▼観察のポイント
月は25日に土星、26日に火星、27日に金星・木星という順番で接近していきます。東から南東の、できるだけ開けた場所で観察しましょう。どの星も明るく見つけるのは比較的簡単ですが、月がのぼって見やすくなるまで少し待ってみましょう。
■今年の水星観察のチャンスは4月29日
太陽系惑星の中で最も太陽に近い水星は、太陽系の中で一番小さな惑星です。直径は地球の40%にも届かないほどで、土星の衛星・タイタンよりも小さいのです。地球から見る水星は、太陽からあまり離れることないためにとても見づらいのですが、4月29日に東方最大離角となり観察のチャンスがやってきます。
▼観察のポイント
今年いちばんのチャンスと言っても、水星が見えるのは低い空になります。西北西が開けた場所・低空に雲のない良く晴れた日に観察しましょう。水星を探すのは少し難しいかもしれませんので双眼鏡を使うと良いかもしれません。5月2日と3日は新月直後の細い月が水星の近くに見えますので目印にすると良いでしょう。
<注意>絶対に太陽を見ないよう、完全に日が暮れてから観察をしましょう。
<コラム担当:F>