今年の春一番は昨年(2021年)より1ヶ月も遅く吹きました。春一番にはいくつか条件があります。立春(2月4日頃)から春分(3月21日頃)までの期間・風速8.0m/s以上・南よりの風・日本海に低気圧がある・前日より気温が高い、などです。春一番と聞くと「春の到来」「これから暖かくなる」「花見も近い」などなんとなくほのぼのとしたプラスのイメージを持たれるかもしれませんが、その由来は強風や突風に気をつけるための注意すべき風との説が濃厚です(諸説あります)。また、春一番がふいた後は冷え込みやすいとも言われており「三寒四温」と呼ばれる春先ならではの、寒暖差が激しい期間でもあります。こんな時は体調を崩しやすいので気をつけて過ごしたいものです。

・自律神経の入れ替わり激しく、気持ちが不安定になりやすい
冒頭にも書きましたが、気温が高い日が続いたかと思えば寒さがぶり返して数日間寒い、といったことを繰り返すことを「三寒四温」といいます。高気圧と低気圧が短い周期で入れ替わり、天気の変化を繰り返して本格的な春になっていきます。春先は昼夜の気温差も大きく、体温を一定に保つためにコントロールしてくれている自律神経(ホメオスタシス)がフル活動になります。これが長時間続くと疲弊して心身のバランスを崩しやすくなります。
気温が低い冬は交感神経が優位に働き、気温の高い夏になると副交感神経が優位に働きます。春はこの移行期間にあたり、朝晩の冷え込みと日中の寒暖差の影響で自律神経が不安定になりやすいのです。
・昼間がのびて時差ボケ状態に
冬至を境に夜の時間は短くなって太陽が出ている時間が長くなり「日がのびたなあ」と実感できるのがこの季節。明るい時間帯が長くなると、その分、日中の活動時間も増えて睡眠時間が少なくなる傾向になります。日照時間の短い冬時間と日照時間の長い夏時間の移行期間にあたるため、体内時計が「時差ボケ」のような状態を起こして、なんとなく憂鬱な気分になったり、何もやる気にならないなどの心の不調をきたしやすくなります。
・環境の変化でストレスフル
春は入学や就職、転居など、新しい環境に対する期待や不安、新たな人間関係における緊張からストレス状態を引き起こしやすくなります。ストレスは「悪い変化」だけでなく「良い変化」でも感じるものです。良いことも悪いことも「今までと違う」変化そのものがストレスになります。

■疲れやだるさを感じたらまずは休息をとる
さまざまな事象によって、睡眠時間は足りているはずなのに、なぜか体のだるさを感じる、心配事や不安なことが頭から離れない、何をしていても楽しくないなどの症状が現れやすいのも春の特徴のひとつです。「疲れたな」「だるいな」という感覚は誰にでもあります。だるさにもさまざまな原因があり、精神的なだるさ・身体がウイルスなどに感染して起こるだるさ・酸素不足によるだるさ、病気によって栄養がじゅうぶんに全身に届いていないためのだるさなどが考えられます。
春はとくに疲れやだるさを感じやすい時期でもありますので、だるいと感じたらまずはとにかく休養をとりましょう。2〜3日しっかり休んで回復する程度ならそれほど心配いりませんが、怖いのは回復しない、長期間にわたる疲れやだるさ。そして、顔のむくみや血圧の上昇、発熱、吐き気を感じるなどなにか異変を伴うだるさです。激しい運動やハードワークをした覚えはないのに疲れが抜けない、というときは病気の前触れの可能性もありますので、医療機関で医師に診てもらうことをおすすめします。
春も「ライフレンジャー」で気象に関する情報をマメにチェックして、ご自身の心身を守る対策をして健やかにお過ごしください。
(健康管理士:R)