マスク着用、手洗い・うがい、手指の消毒など、日々の健康対策については慣れて習慣になってきたことを実感している方も少なくないでしょう。一方で、運動不足による心身の健康を脅かす二次被害も懸念されています。
テレワークになった方、営業が対面ではなくオンラインになったりして外出の機会が減った方、ジムに行く機会が激減したり、そもそも外に出て活動する機会そのものが減ったなど、全体的に行動範囲や活動量が少なくなったと感じている方も多いと思います。これによって体型が変化したり、以前と比べて疲れやすくなったり、運動不足・体力の低下を自覚しているという声も聞かれます。
■体重増加のメカニズム
一番自覚しやすいのは体型の変化・体重の増加だと思われますが、その仕組みについて簡単にご紹介します。まず、エネルギー消費量の目安として
・食事として摂取する脂肪は1gあたり9kcal
・体脂肪では約20%の水分を含むため1gあたり7kcal
・体脂肪1㎏を燃焼するのに必要なエネルギーは7,000kcal
例えば以前は通勤があった人の場合
・通勤時間が往復2時間と仮定した場合の消費カロリー
通勤+職場内の移動や昼食のための移動=約400kcal
・上記の人がテレワークになった場合
自宅のみの移動=約50kcal
400kcal - 50kcal=350kcal ×5日(平日稼働日)=1750kcal ×4週=7,000kcal
この計算で、在宅勤務によって消費できなかったエネルギーが増えると1kg増量してしまいます。
これだけではありません。活動量が減ることで発汗量が少なくなり、運動量が減ることや座ったままの姿勢が増えることで血流が滞りやすくなって筋肉や脂肪、血液などに水分をため込むことになり、2~3㎏増えてしまう可能性も高くなります。また、自宅にいるとお菓子やフルーツなどの間食を食べる機会が増えてしまいがち。
ここで注意したいのは、ただ単に食べない・摂取量を減らすだけでは改善や予防にはならなず、エネルギー消費に必要な筋肉を減らしてしまうこと。これらのことからも、適度な運動を取り入れることをおすすめします。
■健康維持・肥満予防に必要なのは
健康を維持するために必要なこととしてまず挙げられるのは、栄養バランスのとれた食事、十分な休養、適度な運動の3つ。このほかに生活のリズムを整える、リラックスするなどもよく耳にします。
適度な運動、とは何をどれくらいすればいいのか?と考えてしまいますよね。もちろん、これには年齢や状態などの個人差がありますし、摂取エネルギーとのバランスもありますので、○○をXX分と明言するのは少し難しいかもしれません。ただ、運動不足は生活習慣病と呼ばれるさまざまなリスクを秘めた症状になってしまう可能性がかなり高くなります。肥満・メタボリックシンドロームの予防のためにも、意識的に体を動かすことはとても重要と言えるでしょう。運動することは、健康の維持だけでなく、ストレスの解消や血流の促進、免疫力の向上にも有効とされています。
日常に取り入れやすい運動
・ラジオ体操
・スクワット(浅めでもOK)
・足首の上下運動(立った状態でかかとの上げ下げ)
・肩甲骨周りを動かす運動(椅子に座ったままでOK)
・足持ち上げ運動(椅子に座ったままでOK)
インターネットなどで、運動系の動画を見ながら運動する、オンラインのヨガに参加するなど、自宅にいながら運動する方法はたくさんあります。大事なのは息を止めずにすること、毎日少しずつを継続すること。
(健康管理士:R)