2021年の気象を振り返る③ 台風、宮城・福岡に初上陸

災害をもたらす可能性の高い台風が発生すると、日本に来てほしくない・上陸しないで!近寄らないで!と祈るような気持ちになってしまいますが、台風の大型化も懸念されており、シーズン中は注意が必要です。
昨年は日本列島に台風が1つも上陸しない年(12年ぶり)になりましたが、今年はまた違う意味で台風に関する異例がありました。2021年の気象を振り返る、3つ目のトピックは「台風」です。解説は気象予報士・がんちゃんにお願いします。


【台風、宮城・福岡に初上陸】

台風8号は7月27日に関東の東海上を北上し、翌28日午前6時前に宮城県石巻市付近に上陸後、岩手県内を北上した。宮城県に上陸するのは統計開始以来初めて。この台風について特異なのはコースだけでなく、中心付近が通常の暖気核ではなく寒気も同居していて寒冷渦と台風のドッキング版ともいえる珍しいタイプだったこと。(平成28年10号台風と類似)

台風8号の特異な進路予測(参照:気象庁)

中心付近がスカスカ (参照:気象庁 26日21時 赤外衛星画像)

一方、猛烈な勢力の台風14号は台湾の東海上を北上し、11日夜には先島諸島が暴風域に入った。12日昼前に与那国島に最接近後は東シナ海を北上。その後13~16日にかけては北上を阻まれて東シナ海で足踏み状態。17日にようやく動き出して19時前に福岡県福津市付近に上陸。福岡県への上陸は1951年の統計開始以来初となった。

空500hPa気温 暖気核と寒気核が混在 (参照:気象庁 28日00時)

茨城沖で動きが止まる (参照:気象庁 27日09時)

台風14号の通過コース(参照:気象庁)

これらの画像からも特異な台風だったことが見てとれる。(気象予報士:がんちゃん)


確かに、画像を見るとかなり変わった台風だったことがわかりますね。このように「異常」がどんな様子なのかを目で見て知っておくことはとても大事なことだと思います。
さまざまな研究が進み、年々予報の精度が上がっているとはいえ、こんな変な動きの台風や変わった台風が来るとなると心配や不安は拭い切れるものではありません。ですが、いつ発生するかわからない地震などとは違い、こうした予報や注意の呼びかけにしっかり対応することで、逃げる時間や対策の時間を確保できる事象でもあります。
防災に関する情報をお伝えする際も「避難は早め」を繰り返し書かせていただいておりますが、まずはご自身で自分の命を守ること「自助」が、防災の第一歩であり最大に重要なことと捉えて、どうか徹底してください。

2021年の気象を振り返る、がんちゃん予報士、解説ありがとうございました!
皆さまにとって2022年が良き年になりますように。

(防災士・R)

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