深呼吸でストレス対策!

生きていく上で不可欠なのに、普段特に意識をすることなく自然にしていることのひとつが「呼吸」。普段の生活ではほとんど休むことなく継続している呼吸、平均的には一生のうちに6億〜7億回も呼吸をしているとか。呼吸によって身体に酸素が取り込まれて、血管を通って全身に酸素が行き渡ります。実は、呼吸はストレス解消やリラックスにも関係しています。今回は呼吸について少し意識を向けてみましょう。

■呼吸に意識を向けてリラックス効果を得る

呼吸は、ストレスがかかったり心身が緊張状態になったりすると早く(短く)なったり浅くなり、リラックスしている時や眠っている時は深くゆっくりのペースになります。呼吸を整えてリラックスすることはホルモンの分泌や免疫機能にも影響を与えますので、1日に何度か深呼吸するよう心がけてみましょう。

・副交感神経を優勢にしてリラックス効果を得る
交感神経と副交感神経が交互に働いているお話は以前させていただきました。このうち、交感神経が優勢になるのはストレスや不安などを感じた時、副交感神経が優勢になるのはリラックスしている時になります。
深く大きくゆっくりした呼吸は副交感神経を優勢にさせ、リラックスできるきっかけをつくることができます。

・呼吸に集中して気分転換を
普段あまり意識していない呼吸に対し、あえて意識を集中してみましょう。「集中」することで他の要因(例えばストレス)から一時的に解放され、気分転換をはかることができます。ヨガなどを取り入れるのも一案です。

・脳に酸素をたくさん送ってスッキリ
呼吸によって取り入れた酸素を全身に送っている、ということは、呼吸が浅いと酸素不足になります。特に脳が酸素不足になると集中力の低下や処理スピードの低下などをまねき、それが原因でイライラして呼吸が浅くなる…など悪い連鎖につながりかねません。

■浅い呼吸はデメリットだらけ

ストレスや不安、怒りなどを感じて無意識のうちに呼吸が浅くなってしまうと、肺の一部にしか酸素を届けることができず血液中の酸素が不足します。浅い呼吸が一定以上続いてしまうと交感神経ばかりが優勢になり心身に影響を与えます。具体的には、自律神経失調症や呼吸関連の筋肉の凝り、内臓の機能低下や負担増などです。
ただ、こうした状況に陥っている時は「気づかないうちにその状況が続いてしまう」可能性も大きいですので、最近ストレスが大きいと感じていたり、疲れが取れないと感じていらっしゃる人は1日に何度か決まった時間に深呼吸をするなど、今日から対策を始めることをおすすめします。

■腹式呼吸のすすめ

「腹式呼吸」と言う言葉を聞いたことはあるけれど、どうやるの?と思った方に、以下にやりやすい方法とコツをお伝えします。

<方法>
① 仰向けに寝転び、口からゆっくりと息を吐きます
② 体中の空気を全部外に出すことをイメージし、ゆっくり時間をかけて吐きます。吐く息に合わせてゆっくりとお腹を引っ込めます
③ 鼻から息を深く吸います。この時、下腹部が膨らむように気を付けましょう。
④ 再び口から息を吐き出します。息を吸ったときの1.5〜2倍の時間をかけるつもりで、ゆっくりと細く長く吐き出しましょう。

<コツ>
*息を「吸って吐く」ではなく「吐いて吸う」イメージです
*お腹の上に本などを載せて行うと腹式呼吸ができている様子をご自身で確認しやすくなります
*下腹部(おへその下)辺りに手をあてて下腹の動きを意識するとやりやすいです

■口呼吸に気をつけて!

呼吸は鼻でも口でもできますが、本来であれば鼻呼吸が自然な形です。鼻は空気を浄化する機能が備わっているので、空気中のホコリを取ったり乾燥した空気を適度な湿度にしてくれ、喉や肺にとって負担や刺激の少ない空気にしてくれます。
ちなみに口は食べ物を摂取するための器官で空気を浄化する機能はありません。ということは、口呼吸は乾燥した空気が直接体内に取り込まれ、口の中や喉が乾燥してしまいます。コロナ禍でマスク着用していると乾燥や埃の吸い込みは軽減されるかもしれませんが、口で呼吸することがデフォルトにならないよう注意しましょう。

▼口呼吸チェック
下の項目で3つ以上当てはまると口で呼吸している可能性大です。
・朝起きたとき、喉の渇きやヒリヒリを感じる
・いびきをかく
・食事中、クチャクチャと音を立てて食べる
・唇がカサカサしている
・何かに夢中になっている時「口が開いているよ」とといわれる
・鏡を見ると、口が「へ」の字になっている

いかがでしたか?呼吸は鼻からゆっくりと!年末に向けて慌ただしさが加速する時期ですが、たまには深呼吸でもしてゆったりとリラックスの時間をもってくださいね。

(健康管理士・R)

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