10月7日22:41分頃、千葉県北西部を震源地とする地震が発生し東京・埼玉で震度5強の強い揺れがありました。全国的に緊急事態宣言が明け人出も多くなっている状況で、交通機関の乱れにより帰宅困難者も多く、一夜明けた8日の朝の通勤にも大きく影響しました。就寝している人もいると考えられる時間帯に「緊急地震速報」が鳴り響き、不安な夜を過ごされた方も多いのではないでしょうか。
地震は大雨や台風と違って予測ができないのが現状です。いつ、どこで、どんな状況で遭遇するかわかりません。例えば深夜に緊急地震速報が鳴り響いたらどのように行動すればよいでしょうか。
安全を確保する・逃げるシミュレーションはできていますか? 「いざ!」というときは、気持ちも動転し、暗闇となるとどうしてよいかわからなくなってパニック状態に陥る可能性も少なくありません。
今後1週間程度、大きな揺れの心配もありそうです。今一度「地震への備え」を見直して、必要最低限の準備をしておきましょう。
■安全な場所に避難するまでに必要な7つのこと
①まずは落ち着く
事前の備えの有無に関わらず、震災時にまず大切なのは落ち着くこと。慌てたりパニックになっていると正しい判断ができません。
②灯りの確保
真っ暗な状態では何もできませんし、とても危険です。最初の大きな揺れの発生が夜だった場合や停電などがあると行動するには灯りが必須です。手持ちの懐中電灯でもよいですが、両手がフリーになるヘッドライトがおすすめです。
③靴をはく
散乱した家具や割れたガラスなどがあると屋内でも足元は危険。枕元に靴と靴下を準備しておきましょう。
④身支度(防寒など)
避難するときは動きやすい服装で。冬場は寒さ対策も重要です。
⑤情報収集と判断
避難時に必要なのは正しい情報。すばやい避難行動をとるために情報収集はとても大切です。電池で動く携帯ラジオがあると便利です。
⑥防災グッズ
マスクや消毒液など感染症対策に必要なものをプラスしましょう。一般的な防災グッズに関してはリストを検索することもできますが、ご自身やご家族に必要なものをしっかり準備しておきましょう。
⑦避難ルート決定
どこで地震に遭うかわかりませんが、まずはご自宅や仕事先など、普段よくいる場所から避難場所までのルートを頭にしっかり入れておきましょう。家族との連絡の取り方を決めておくことも大切です。
■お子さんに伝えておきたい用語「おはしも」の徹底を!
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災をふまえ、消防庁が小学校低学年の生徒を対象とした避難訓練用の標語「おはし(押さない・走らない・しゃべらない)」を教育指導ガイドラインに掲載しました。それを契機にこの標語は全国の小学校で使用されることになりました。
現在、消防庁は「おはし」に一語を加えた「おはしも(押さない・走らない・しゃべらない・戻らない)」または「おかしも(押さない・駆けない・しゃべらない・戻らない)」を推奨しており、東京都教育委員会も、それに倣って「おかしも」を採用しています。教育委員会や小学校、担当する教員によっても異なるものの、最近は「おはしも」にさらに一語を加えた「おはしもて(押さない・走らない・しゃべらない・戻らない・低学年優先)」を採用する場合も増えているようです。
これらの標語は小学生だけでなく誰にとっても重要となるポイントです。避難時に思い出しやすい4文字(5文字)として覚えておきましょう。
■複合災害を想定した準備を
現在日本列島の南の海上では台風17号や今後台風に発達しそうな低気圧が発生しています。コロナも落ち着かない今、複合的な災害に見舞われることも考えられ不安がさらに募ります。
地震の規模が大きければ、感染症対策に重要な「手洗い」用の水が出なくなるかもしれませんし、台風などの水災害や土砂崩れが同時に発生する可能性もゼロではありません。
いざ、というときにどうしていいかわからない!とパニックにならないよう、今できることは全てやっておきましょう。この機会に家族で防災に関して話しあい、備えについて見直してみてはいかがでしょうか。
(防災士・防災コーディネーター:R)