台風去って猛暑炸裂!熱中症予防を徹底しましょう

ダブルで日本を襲い、各地にその爪痕を残した台風は日本から遠ざかりましたが、とても迷惑な「猛暑」を置いていきました。台風通過後によくみられる「フェーン現象」などにより、気温がかなり高くなる地域もありますので、熱中症にはくれぐれも警戒してください。クーラーなどの効いている屋内と屋外の危険な暑さとの差も大きいことに加え、室内にいる時間が長くなっている分、その差に身体が慣れておらず、更に注意が必要と言えます。今一度、熱中症について意識し、十分な対策を!

■暑さ指数には「3つの要素」がある

暑さ指数(WBGT)(湿球黒球温度)は、人間の身体の熱バランスに大きく影響する湿度、輻射熱(ふくしゃねつ)、気温の3つを取り入れた指標のこと。輻射熱とは、地面や建物、身体から出る熱のことで、温度が高い物ほど多く出ます。このうち、一番大きな影響を与えるのは「湿度」(7割)、次に輻射・日射など周辺の熱環境(2割)、そして気温(1割)となっています。
気温が一番ではないのは「発汗」が関係しているからです。人間の身体は汗をかくことで体温調節をしており、汗がうまくかけない状態=湿度が高くなると汗が蒸発しづらくなる→体温調整の機能が低下する=熱中症になりやすくなります。

■どうすればいい?

暑さ指数が28℃を超えると、何をしていても熱中症にかかるリスクが高くなります。熱中症警戒アラートの発令時、もしくは暑さ指数が28℃を超えるときの外出・運動は中止しましょう。
やむを得ない事情でどうしても外出しなければならない場合は、以下のような点に留意してください。

・帽子や日傘を利用し、直射日光を浴びない
・無理をせず、木陰などを見つけて休憩する
・こまめに水分と塩分(経口補水液など)を補給する
・濡れたハンカチ・手拭いなどを持ち歩く
・涼しい服装(通気性のよい素材など)を選ぶ

濡れたハンカチやタオルを充てると「気化熱」で温度を下げる効果があります。気化熱とは、水などの液体が蒸発(気化)する際に周囲の熱を奪う仕組みのことです。小さめのドライアイスを手ぬぐいで巻いて首の後ろにあてる、濡れたタオルなどを身体にあてるなど、できる限り工夫をしてください。
また、睡眠不足や栄養不足も熱中症のリスクを高めます。日頃からしっかりと休養・栄養をとるよう心がけてください。

■応急手当について

熱中症は生命の危険をともないます。少しでも熱中症が疑われた場合は、すぐに応急手当をします。
・衣服を緩める
・風通りの良い日陰や冷房の効いた場所へ移動
・汗をかいていない場合は、濡れたタオルなどで皮膚を濡らして扇風機などで風をあてる
・近くに太い血管が通っている場所:脇の下や首・脚のつけ根に冷たいもの(保冷剤など)をあてて冷やす→具体的な冷やす場所はこちら熱中症に気をつけて!~カラダを冷やす場所を知っておこう~

マスク着用で熱が身体から逃げていきにくい、喉の渇きに気づきにくいなど、熱中症のリスクが高まる要素も多々あります。外を出歩く機会も減って、汗をかきにくくなっていることも考えられますので、今まで以上に熱中症には充分警戒してください。

(応急手当普及員・R)

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