雨上がりの気温上昇と湿度の高さで「熱中症」のリスク大

5月初旬にしてすでに「真夏日」を観測。各地で暑さに対する警戒が呼びかけられています。熱中症対策や熱中症予防に必要な情報「暑さ指数(WBGT)」についてまとめます。折しも4月28日から「熱中症警戒アラート(暑さへの「気づき」を呼びかけて予防行動をうながす情報で、熱中症の危険性が極めて高い環境が予想される場合は、その前日の夕方または当日の早朝に発表されます)」の全国運用が始まってすぐ、こんな暑さがやってくるとは…。ましてや昨年に続いて「コロナ禍の夏」。危険な暑さについて改めて考えた、と感じる方も多いのではないでしょうか。

■暑さ指数には「3つの要素」がある

暑さ指数(WBGT)(湿球黒球温度)は、人間の身体の熱バランスに大きく影響する湿度、輻射熱(ふくしゃねつ)、気温の3つを取り入れた指標のこと。輻射熱とは、地面や建物、身体から出る熱のことで、温度が高い物ほど多く出ます。このうち、一番大きな影響を与えるのは「湿度」(7割)、次に輻射・日射など周辺の熱環境(2割)、そして気温(1割)となっています。

「気温が一番じゃないの?」と驚くかもしれませんが、これには「発汗」が関係しています。人間の身体は汗をかくことで体温調節を行なっており、汗がうまくかけない状態=湿度が高くなると汗が蒸発しづらくなる→体温調整の機能が低下する=熱中症になりやすくなります。

■具体的にはどうすればいい?

暑さ指数が28℃を超えると、なにをしていても熱中症にかかるリスクが高くなります。熱中症警戒アラートの発令時、もしくは暑さ指数が28℃を超えるときの外出・運動は中止しましょう。

暑さ指数(参考:環境省HP)

やむを得ない事情でどうしても外出しなければならない場合は、以下のような点に留意してください。

・帽子や日傘を利用し、直射日光を浴びない
・無理をせず、木陰などを見つけて休憩する
・こまめに水分(経口補水液など)を補給する
・濡れたハンカチ・手拭いなどを持ち歩く
・涼しい服装(通気性のよい素材など)を選ぶ

睡眠不足や栄養不足も熱中症のリスクを高めます。日頃からしっかりと休養・栄養をとるよう心がけてください。

■応急手当について

熱中症は生命の危険をともないます。少しでも熱中症が疑われた場合は、すぐに応急手当をします。
・衣服を緩める
・風通りの良い日陰や冷房の効いた場所へ移動
・汗をかいていない場合は、濡れたタオルなどで皮膚を濡らして扇風機などで風をあてる
・近くに太い血管が通っている場所:脇の下や首・脚のつけ根に冷たいもの(保冷剤など)をあてて冷やす→具体的な冷やす場所はこちら熱中症に気をつけて!~カラダを冷やす場所を知っておこう~

身体が暑さに慣れていないこの時期は熱中症のリスクが高まります。マスク着用の「新しい日常」も2年目で少しずつ慣れてきたとはいえ、熱中症には充分警戒してください。

(応急手当普及員・R)

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