家庭菜園の人気上昇中。でも、気をつけないと「毒ジャガイモ」ができてしまう!?

厚生労働省発表の「過去10年間の有毒植物による食中毒発生状況(平成22年~令和元年)」のデータを見ると「ジャガイモ」の事件数・患者数が圧倒的に多いことがわかります。ジャガイモによる食中毒の1件あたりの患者数が多い理由としては、学校などで起きる集団食中毒が多いから、とのこと。教育の一環としてみんなで育てたジャガイモを収穫して食べて集団で中毒になる例がとても多いそうです。

データ参照:厚生労働省HP

ジャガイモといえば「芽の周りはちゃんと取り除きましょう」という知識をお持ちの方が多く、比較的「危険な理由(毒のありか)」がはっきりしていそうですが、それにしてもこんなに多いのはなぜでしょうか。

ジャガイモは「芽」の周辺部分にも毒がありますが、ジャガイモに光が当たって緑色になった表皮周辺にも、有毒成分が含まれています。
ジャガイモ畑をご覧になるとお気づきになると思いますが下の写真のように、株の周りが小高くなっています。これはジャガイモに光を当てないよう「土寄せ」をしている様子です。こうした栽培技術の知識が不足していると「光によって毒成分が生成された」ジャガイモができてしまいます。また、十分に育っていない小さなジャガイモや、花が咲いてついた実(結実)なども有毒成分の含有量が多いそうですので、収穫の際も注意しましょう。

加えて、収穫後のジャガイモはできるかぎり光に当てないよう保管することも大切です。購入する際は売り場が日陰になっているかどうかチェックした方が良さそうです。

<ジャガイモに関する注意点まとめ>
・ジャガイモは収穫・購入後、新鮮なうちに食べる(長期間保存しない)
・保存する場合は冷暗所に置き、芽の出やすい環境 (高温・明所)に放置しない
・親芋で発芽しなかったイモ(芯が硬くなっている)を食べないこと
・光に当たって皮がうすい黄緑~緑色になったイモを食べない
・保存中に芽が出た場合には、芽や芽の付け根の硬くなった部分を確実にとり除く
・新鮮なジャガイモでも、小さいものや地中の浅い場所にあったものは食べない
※ ジャガイモの有毒成分類は水に溶けやすいので、蒸す料理ではなく、ゆでる・二度ゆでするなどの調理方法をとると中毒する確率が減るが、熱によって分離されることはないのでやはり注意が必要

比較的育てやすく、初心者でもとっつきやすいジャガイモの栽培。春はジャガイモの植え付け時期でもありますので、今この時に栽培時に必要なことを専門家に聞く・調べるなど注意点について確認するようにしましょう。

(健康管理士:R)

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