【天体観測】2月は貴重な現象を観るチャンス!

2月3日に立春を迎え、暦の上では「春」になりましたが、まだ春は少し遠く気温は低く空気が乾燥していますね。空気が乾燥していると、人間の身体にはマイナスな面が多いですが、天体観測には好都合。今月は特に、普段滅多にみられない星を観るチャンスがありますので、是非空を見上げてください。

画像:国立天文台HP

■ 細〜い月を愛でよう

2月の新月は12日ですので、月の姿が観られるのは13日から。細い細い月が少しずつ太くなっていく様子を観察してみませんか。もちろん、月は約1ヶ月の周期で満ち欠けを繰り返しているので、どんな月も毎月ちゃんと出ているはずですが、新月から三日月までのかなり細い月は条件が良い季節のほうが観察しやすいといえます。夜の時間帯が早くやってくる(太陽が沈むのが早い)、空気が乾燥しているなど、条件として観察に向いているこの時期が、細い月の見頃といえるでしょう。

画像:国立天文台HP

また、細い月を観察する際のもうひとつの楽しみが「地球照(ちきゅうしょう)」です。地球照とは、地球が反射した太陽の光で月の暗い部分が照らされる現象のこと。影になっている部分がうっすらと光り、丸い月を光とぼんやりした影で感じることができます。

■火星と月の接近

2020年10月の最接近と比べると少し威力は落ちたものの、まだまだ赤い輝きを放っている火星に月が接近します。2月18日〜19日の西の空に、火星の周りを月が挨拶しているような姿が観られます。

■寿命が延びる? 滅多に観られないカノープスを見つけよう

りゅうこつ座のα星で太陽を除くとシリウスに次いで2番目に明るい恒星・カノープス。2番目に明るい恒星であるにもかかわらず、なかなか観ることができないのはなぜ?
カノープスは南の空の低い位置にあり、日本の多くの地域ではとても見つけにくく、さらに観ることができたとしても空の低い位置で赤みを帯びた色に減光し、シリウスに次いで明るい、というカノープス本来の実力で観ることができないから。また、北日本では地平線より上に昇ることがなく観察は不可能で、福島県北部付近の方がかろうじて見つけられる北限なんです。南にいくほど見つけやすくなり、沖縄県の那覇では南中高度(南の空で一番高くなるときの高さ)が10度以上になります。

画像:国立天文台HP

夜更け前にカノープスが南中する2月は、滅多にない観察のチャンス!よく晴れた夜、南の空が開けた場所でカノープスを見つけてみましょう。冬の大三角やおおいぬ座のシリウスを目印にすると良いでしょう。うまくいけば、南の地平線近くの低い空に(場所によっては地平線すれすれの)カノープスの姿を見つけることができるかも。
地上すれすれの位置で赤く光るカノープスには、七福神の「寿老人」や「福禄寿」に例えられ「南極老人星」という別の呼び名があります。中国では「カノープスを見ると長生きする」という伝説もあるとか。防寒対策をしっかりして夜空を見上げてみてください。

(コラム担当:F)

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