寒すぎて電力不足? 停電になる前にやっておきたい準備まとめ

コロナ禍でテレワークに切り替わった人は少なくないでしょう。そしてテレワークになったことでメリット・デメリットそれぞれあると思いますが、圧倒的に増えたものといえば「消費電力」もそのひとつではないでしょうか。
特に今年はラニーニャ現象の影響もあって寒い冬になっており、巣ごもりで自宅にいる時間も増え、暖房器具をフル稼働させているご家庭も多いとあって、つい先日(1月12日)には電力の供給に対する使用率が98〜99%となった地域があり、節電の協力依頼などのアラートが発信されました。

夏季にも電気の供給が逼迫して節電を迫られた過去があります。持続可能な社会、いわゆるサスティナブルが周知されて以来、エネルギーの節約は常日頃から取り組むべきことではありますが、コロナで外出自粛といった異例の事態にその必要性が違う形で迫ってくるなんて1年前に誰が想像できたでしょうか。どんな理由にしても大規模な「停電」を想定し、今できる準備は今のうちにしておきましょう。

「寒さ対策」の備え

■電気がなくても使える「暖房器具」を1つでも用意しておく
エアコンだけでなく、ファンヒーターやこたつなど、コンセントに刺さっているものは当然ながら使えません。電気なしで使えるものが必須です。
・石油ストーブ
・使い捨てカイロ
石油ストーブは「灯油」が必要ですので、こちらも事前にちゃんと準備しておきましょう。また、普段使っていないものを久しぶりに引っ張り出してみたら使えなくなっていた…可能性もあります。定期的に点検する、試運転なども怠らないようにしましょう。

■防寒着、防寒具を
保温効果に優れた素材の衣類、ダウンジャケットなども必須です。できれば腰より下を覆うことができる長さのものがあるとよいでしょう。足元からの冷えに備えた防寒パンツなどもあると安心です。綿素材の靴下は重ね履きには少し不向きなので、フリース素材のくつ下が1〜2足あると便利です。防寒シート(アルミ素材のもの)は軽いし小さく畳めて保管場所にもさほど困りませんし、アウトドアなどのレジャーでも使えますので、これを機に購入しても損はないかも。

■アウトドア用品を活用
寝袋のような“自分の体温で保温ができる”用品も便利で有効です。寝袋の中に毛布を一枚入れると、暖かい空気の層が増えて保温効果が高まります。毛布が入らない場合はフリース素材の衣服・毛糸のセーターや、マフラー・ショールなどを入れても良いでしょう。

「食べる」ための備え

カセットコンロと専用のガスボンベは日頃から少し多めに備蓄しておくようにしましょう。ただ、ガスボンベには使用期限があるため、あまり多すぎて期限を過ぎてしまうともったいないですし「あるから大丈夫」と思っていざとなったら実は使えなかった、ということにもなりかねませんので、定期的に使ってチェックするようにしましょう。


また、暖房器具で挙げた「石油ストーブ」も上に鍋やヤカンを載せられるタイプのものなら、調理器具として使えます。ですが石油ストーブを使うために必要な灯油も、使用期限がありますので注意が必要です!
もちろん、アウトドア用の調理器具も選択肢の一つとして、練習を兼ねたレジャーを計画したり、自宅でアウトドアなシチュエーションを楽しんでみるのも良いでしょう。

「明るさ確保」の備え

懐中電灯やランタンを複数常備しておきましょう。室内を明るくするために固定しておくものの他に、例えば室内移動用に個人で持ち歩けるものがもう1つあると便利です。もちろん、これから購入するなら、消費電力が少なく、使用できる期間が従来のものと比較して圧倒的に長いLEDタイプのものをお勧めします。

「情報取得」のための備え

スマートフォンなどは電池がなくなれば当然使えませんので情報も入手しづらくなってしまいます。乾電池式のスマートフォン充電器やラジオなども必需品です。毎日の仕事にPCが必須!という方はUPS(無停電電源装置)があると安心かも。これは停電時に一定時間、電力を供給できるもので、バックアップをとって正しい手順でシャットダウンさせることができます。(あくまで一時利用のためのものですので、長時間の使用には不向きですので購入の際はしっかり確認を!)

備えは「防災専用」にしない!

以前、ローリングストックについてお伝えしました(「今は備蓄はローリングストックの時代!」)が、備蓄食品・水などわざわざ「防災専用」のものを用意しなくても「普段使うものを少し多めに」を心がけるだけで十分です。日常生活に「防災」を少し取り入れることを、是非意識してみてください。

今、日本海側の各地では豪雪という災害に見舞われています。1〜2メートルもの雪に埋もれた室内は暗くて、昼間でも電気なしでは過ごせないことでしょう。電気の使い過ぎを見直すことで、家計にも地球にも、そして災害にあっている方にも優しくなれます。One for all all for one 一人ひとりとみんなで、気をつけていきましょう!

(防災士・アール)

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