疲労のアンバランスにご注意!
新型コロナウイルスの蔓延でマスク着用がデフォルトになり、何かと制限されて不便を感じ、テレワークやオンラインでのコミュニケーションにも疲れを感じて「もう限界」と辛さがピークに達している方も少なくないのではないでしょうか。そして、いつも以上にストレスを強く感じているかもしれません。そのストレス、実は運動不足が原因かも。
毎日の通勤で、特に意識をしなくても駅までの徒歩や小走り、ちょっとお手洗いに立つなどの社内の移動もなくなり、気づいたら1日の生活歩数が2桁だった、という人も少なくないのでは。
コロナ禍特有のストレスももちろんあると思いますが、仕事や人間関係の悩みなどで脳はフルスロットルで頑張って働いている一方で、身体を動かす機会はめっきり減っています。このため脳には疲労がたっぷりたまっているのに、身体的には疲れていないという疲労のアンバランスが生じることになります。このアンバランスがヒトにストレスを感じさせる原因になっているようです。
運動は心身の健康に必須
イキイキと活気に溢れた生活に「運動」は不可欠です。いわゆる身体的な健康面だけでなく、精神面にも大切な要素です。以下に運動の効果についてあげてみます。
1:気晴らし効果
運動中は他のことを考えていると危ないですし、集中力が必要です。この「集中」が、精神面でよい効果をもたらすといわれています。
2:自信回復効果
運動によって達成感や爽快感、満足感などの良い感情「快感」を得られることも要注目です。なにかちょっとした自己目標をクリアできた!以前より身体を動かすのがラクになった!といった変化を感じられると、その快感はもっと強くなり、自分に自信がもてる効果をもたらします。ほんのちょっぴりでも「自信」がつくと、自然と気持ちも明るく前向きになれますよね。
3:体温上昇による効果
運動をすることで血液の循環がよくなり体温も上昇します。身体が温まることで筋肉の緊張がとけたり、リラックス時に優勢になる副交感神経が働いたりします。身体が温まると気分が良くなったり、ストレスが軽くなったりすることがある…入浴時に得られるリラックス効果と似ています。
4:快眠効果
冒頭に書いた「脳と身体の疲労のアンバランス」を解消し、よい眠りに誘う効果も期待できます。逆に運動不足で血行が悪くなっていると血液中に疲労物質・乳酸がたまりやすくなります。乳酸はくせ者で神経を高ぶらせる作用があるため、睡眠を妨げる原因になるのです。
どんな運動がいいの? ストレス回避運動、4つのポイント
ストレスを解消したり、ストレスに強くなるには、どのような運動が良いのでしょうか?
次の5つのポイントを取り入れて、自分にあった運動を楽しんでみましょう。
*空間移動を兼ねた運動
ウォーキングやサイクリングなどの、空間を移動することを取り入れた運動
*無理をせず「気持ちいい」ペースで
年齢や体力、得意不得意など、人によって「気持ちいい」と感じられることは千差万別です。「誰か」が良い!と言っている運動が必ずしも自分にマッチしているとは限りません。興味が持てない、ちょっとやっただけで疲れを感じる運動は見直した方がよいかも。
*リズム運動でセロトニンが活性化
ウォーキング、ジョギング、サイクリングのような一定の動きを繰り返す運動はセロトニンの分泌を活性にします。セロトニンは心の安定をはかってくれる脳内ホルモンです。意識して行う呼吸法を取り入れたストレッチやヨガなどもセロトニンの活性化が期待できます。
*少しの時間でよいから、運動に集中する
テレビを見「ながら」など、運動を何か他のことと兼用するのではなく、ほんの少し、たとえば1日20分でも良いので、きちんと時間を確保して運動しましょう。運動による効果をしっかり得るためには「集中」も重要な要素であることをお忘れなく!
*仲間を見つける
目標を立て、黙々とそれをこなす人はよほど決意が固い、もしくはなにか大きな目標があるなど、一部の人に限られます。ひとりだと運動が続かなかったり、孤独を感じたりして逆にストレスになってしまうケースも。いまはコロナ禍でサークル活動に参加したりすることは難しいかもしれませんが、一緒にちょっとした運動を報告し会える仲間を見つけたり、アプリなどを上手に利用してみるとモチベーションアップや継続に役立つかもしれません。
With コロナ、after コロナ、コロナコロナで話題は持ちきりですが、心身を健康に保つこともコロナ対策の一環です。毎日を心身ともに健やかに過ごせるよう、ちょっとした運動をぜひ取り入れてみてくださいね。
(健康管理士・R)