菌やウイルスに要注意!乾燥の季節到来で気をつけたい3つのこと

10月に入って急に「冬」を意識する日が増えてきました。気温の急激な低下にも気をつけなくてはなりませんが、この時期、特にご注意いただきたいのが「乾燥」です。「乾燥している状態」とは、具体的にどのような状態のことでしょうか。気象庁HPには、以下のように定義してあります。

・湿潤な(湿った)空気…目安として湿度がおよそ80%以上の状態をいう
・乾燥した(乾いた)空気…目安として湿度がおよそ50%未満の状態をいう

空気中に含むことのできる水分量の半分に満たない状態を「乾燥している」と表現するようです。また、厚生労働省が発表している資料によると、ビルなど「空気調和設備を設けている場合の空気環境の基準」としては「相対湿度を40%以上70%以下」となっていました。

私たちが日ごろ「湿度」と認識しているのは「相対湿度」のことで、相対湿度は、水蒸気量とその時の気温における飽和水蒸気量との比を百分率で表したもの(参考:気象庁HP)です。つまり気温によって湿度は変わるのですが、温かい空気のほうが水分量を多く含むことができますので、気温が低い冬は乾燥しやすくなるんですね。それに、夏の暑い時期は体が汗をかいて体温調節をしてくれますので、お肌にも水分が多めになっています。気温が低いとその機能が必要なくなる・空気中の水分の絶対量が減るので、空気中の水分からお肌に引き寄せられる水分の量も減ってしまい、カサカサ・パサパサと感じるようになるのです。

■ウイルスや細菌は「乾燥した空気」が大好き

毎年、乾燥した冬になると気をつけなくてはならないのが、乾燥した状態が大好きな(好都合な)ウイルスや細菌です。今年は特に新型コロナウイルスにも警戒せねばなりません。ウイルスや細菌は乾燥した環境で増加し、遠くまで飛散することができるため空気中の滞在時間が長くなります。これはヒトにとってはとても嫌な状態です。

乾燥した冷たい空気は、皮膚(肌)や鼻の粘膜などから水分を奪います。水分が奪われると、ヒトが本来持っているはずの「保護機能」が低下し、肌荒れやかゆみ、ひび割れが発症しやすくなり、ウイルスや細菌性疾患の原因にもなります。身体に入れたくないウイルスなどが息をするたびに鼻やのどから侵入する機会が増える、量が増える、ということなんです。

通常の状態では、口から気管支に侵入した細菌類は咳や痰(たん)と一緒に体外に排出されますが、その役をしてくれる気管支が炎症を起こしてしまっていると、排出機能がうまく働かなかったり弱まったりして、侵入した細菌類やウイルスが入り込んで悪さをする可能性が高くなります。

空気が乾燥した場所で1人の感染者が咳やくしゃみをまき散らすことにより、何人もの、いえ何十、何百人もの人々が感染の脅威にさらされることになるんです。本当に迷惑な話です。咳やくしゃみが出る人は必ずマスクの着用を。いま現在、咳やくしゃみがなくても、今年の冬はマスクを積極的に着用したほうが良さそうです。そしてもちろん、体調が悪い時に無理をして外出したり、他人と接触することは控えるようにしましょう。

■冬に気をつけたい3つの生活習慣

1:マスク・手洗い・うがいを徹底
移動中はマスクで顔や喉を保護する(マスクをしている部分は呼吸によってある程度の湿度が保たれます)、外出後は手洗い・うがいを徹底的に!←これらは鉄則です。手洗いに関しては、指と指の間なども丁寧に洗うよう心がけてください。

2:エアコン(暖房)使用は加湿器も併用
エアコンは部屋全体を暖めてくれるとても便利で有効な暖房器具ですが、室内の空気が乾燥しやすくなる特徴もあるため、加湿器も併用するなどして乾燥対策を徹底的に工夫してくださいね。冬は厚めの生地のカーテンをつけたり、カーテンの丈を長めにすると、室内の温度を保ちやすくなります。また、空気の入れ替えを定期的にすることもお忘れなく。

3:水分補給を意識して
冬は夏と比べると「のどの渇き」は感じにくいかもしれませんが、風邪対策や、冬に起こりやすい心筋梗塞の予防にも水分補給はとても大事です。体内を冷やさない「常温」もしくは「ぬるま湯」の水分をこまめに補給するよう心がけましょう。

身体を冷やさない・乾かさない。冬に限らず言えることですが、栄養バランスの良い食事をしっかり摂ること、十分な休養と睡眠、適度な運動を心がけ、厳しい季節を乗り切りましょう!

(健康管理士・アール)

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