「今日の朝ごはん、何にする?」メニューがパンやほかのものだったとしても、食事のことを「ご飯」と表現する文化は、日本人の食生活がご飯とは切ってもきれない関係だからでしょうか。
お米といえば日本の主食、というイメージが大きいですが、アジア各国やアフリカ、アメリカなどの海外でもお米は育てられ、食べられています。
大きく分けると3種類、細かく分類すると、何万種ものお米があるといわれていますが、日本で主に食べられていて、日本や朝鮮半島、中国の東北部などで栽培されている丸っこい形で粘り気やツヤのあるものがジャポニカ米、インドやタイなどで栽培されるインディカ米、そして生産量が比較的少なく珍しいジャバニカ米。1993年に起こった米不足のときにはジャポニカ米が手に入りにくくなり、インディカ米を食べた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私たちが日頃食べているうるち米と、お餅に使われるもち米では、それぞれのお米に含まれるデンプンの割合が違います。お米は約70%がデンプンで粘り気と大きく関わっています。うるち米はアミロース20%前後+アミロペクチン80%前後、もち米はアミロペクチン100%。もち米が独特の粘り気でお餅になるのは、アミロペクチンが多いからなんですね。
お米にはデンプンだけではなく、他にもカラダに必要なビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれています。噛むと甘みが感じられますし、ご飯をよく噛んで食べることで満腹感を得ることができ、食べ過ぎ防止にも。普通のお茶碗一杯のご飯のカロリーはおよそ250kcal程度です。同じカロリーのお菓子やアルコールと比べると満足の度合いが全然違います。炭水化物ダイエットでお米は食べません!ではなく、メニューや量を見直したり、よく噛んでゆっくり食べることを意識したりするほうが大事かも。
さて、秋は新米の季節です。稲穂が黄金色になって垂れ下がっている姿は、俳句や短歌などで詠まれ、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」などということわざにもなっています。お米も新鮮なものが美味しいとされていましたが、最近ではお米の氷温貯蔵などの技術が向上し、以前は古米と呼ばれてちょっと区別されていましたが、きちんと管理されているものは1年以上経っても美味しくいただけるようになったようです。
お米を美味しく炊くコツ
・洗う時に、お米を割らないよう気をつける
→強くゴシゴシこすらず、優しく丁寧に。
・お米にお水を浸水させる
→デンプンが効力を発揮できるよう、30分以上を目安に
(お米の品種や産地によって最適な浸水時間があります。購入の際に聞くと良いでしょう)
日本には「米どころ」とされるお米の産地があり、たくさんの銘柄があります。お米屋さんで特徴を教えてもらって食べ比べ、自分の好みのお米を見つけるのも楽しいですよ。
(健康管理士・アール)