天体観測〜6月21日は全国で部分日食が見られるかも!

6月1日は「気象記念日」です。1875年のこの日から東京気象台が気象観測をスタートしたことを記念して制定された記念日。ちなみに「気象(きしょう)」と同じ読みの「徽章」も6月1日が記念日だそう。梅雨入りした地域もあり、空がぐずつく日が増えてきそうですが今月はビッグな天体ショーが2つもあるのでいつも以上に天気が気になりそう!

■6日は半影月食

日食だけではなく、実は月食もあるのですが「半影」なのでいわゆる「月食」と違い、少しわかりにくいかもしれません。地球の影に月がすっぽり入ってしまう状態が月食ですが、これは「本影」と言われる部分に入った状態のこと。

画像:国立天文台HP

この図のように薄い影の部分に入るのが今回の半影月食ですので、月が欠けている状態かどうか見極めるのは難しいかも。

■21日は部分日食

夏至の日にあたる21日の夕方には日食が起こります。アフリカなど、一部地域で金環日食が見られるようですが、日本では全国で部分日食が見られそうです。次に日本で観測できる日食は2023年4月…ちょっと遠いですよね。この日ばかりは全国的に晴れてほしい!と願うばかりです。観察できる時間の目安は下図を参考にしてください。

画像:国立天文台HP

画像:国立天文台HP

■観察時の注意事項

ほんの数秒見ただけでも目を痛めるほど、強烈な光と熱を発しているのが太陽です。安全な方法で観察しなければ、最悪の場合「失明」の危険性もありますので、日食グラスなどの専用の観察器具を正しく使うなど、安全な方法で観察してください。

<絶対にしてはいけない危険な見方>

・肉眼で太陽を直接見る
・望遠鏡や双眼鏡で太陽を見る
・色つきの下敷きやCDなどを使って見る
・フィルムの切れ端などを使って見る
・煤(すす)などをつけたガラスの板を使って見る
・サングラスで見る
・日食グラスを使って望遠鏡や双眼鏡で見る

!くれぐれも上記のような「危険な見方」をしないよう、十分注意してください!
部分日食ですので急激に空が暗くなったりすることもなく、感覚的にはわかりづらいかもしれませんが、専用の日食グラスなどを使えば欠けた太陽の姿を見ることができます。もちろん、空の状況も気になるところです。当日の天気はライフレンジャーで小まめにチェックしてくださいね。(参考:国立天文台HP 天文情報 基礎知識「日食」「観察のしかた」)

■水星観察のチャンス!

5月下旬から今月半ば頃までは、普段見えにくい水星を観察する絶好の機会です。水星は太陽系惑星のうち最も太陽に近い惑星で地平線からの高度が低く、見つけるのがとても難しい星ですが、6月4日「東方最大離角」(太陽からもっとも離れる)を迎えるにあたり、その前後3週間近くの期間は見えやすい状態になります。

画像:国立天文台HP

▼水星の見つけ方

日没直後、開けた場所で真西から少し北寄りの地平線から高度10度を超える位置を探す
双眼鏡などを使うとより見つけやすくなりますが、この時も絶対に太陽を見ないよう注意し、観察は太陽が完全に沈んでからにしてください。


「梅雨入り」の一報がちらほら届いてきていますね。長い自粛生活のせいで、野外で思い切り季節を感じるのが難しい春が去ってしまって雨の季節。これからしばらくの期間はすっきり晴れた空を見上げるチャンスが少ないかもしれませんが、日食の日には晴れることを願って空を見上げてみてください。

(アール)

シェア!