5月なのに熱中症に注意 !? 身体が暑さに慣れていないこの時期こそ注意を!

5月なのに「熱中症に注意」なんて!と思うかもしれませんが、5月だからこそ、注意するべきなのです。
気象庁の発表によると「2020年(令和2年)4月の日本の天候は、西日本と沖縄・奄美では、気温がかなり低くなりました。降水量は、北・東日本で多く、沖縄・奄美でかなり少なくなりました。東日本太平洋側と西日本では、日照時間がかなり多くなりました。」(気象庁 報道資料発表より)とのことで、5月に入った途端、1日には夏日(気温25度以上)が全国で250箇所以上もあり、どちらかといえば気温の低かった4月から一気に「夏」を感じさせる陽気に。「冬モード」から一気に「夏モード」になると、身体がその変化についていけず体調を崩したりしがちになります。このようなケースだと、気をつけなくてはならないのが「熱中症」です。

■熱中症のしくみとは

私たち人間のカラダは、自律神経の働きで体温をある程度一定に保っています。暑い日には血管を広げて血流をうながし、体内の熱を放出する→体温の上昇により汗をかき、汗が蒸発するときの気化熱でカラダを冷やす…といった働きをしてバランスを維持してくれているのです。

いわゆる「熱中症」とは、暑熱環境で起こるカラダの障害症状の総称で気温・湿度・風の有無など諸条件が関係します。日本の夏は高温多湿なため、体温調節機能が乱れて熱中症を起こしやすいと言われます。

気温が高すぎて体温に近づくと、熱を外に放出しにくくなります。また、気温がそれほど高くなくても、湿度が高かったり風が全く吹かない状態だと汗が蒸発しにくくなり、カラダから熱の放射を妨げる要因になるため、注意が必要です。

■熱中症の症状とは?

熱中症は下記のように「軽度」「中度」「重度」の3段階で分類されています。

軽度 ・めまい
・立ちくらみ
・筋肉痛
・汗がとまらない
熱ストレス
熱失神
熱けいれん
中度 ・頭痛
・吐き気
・体がだるい(倦怠感)
・虚脱感
熱疲労
重度 ・意識がない
・けいれん
・高い体温である
・呼びかけに対し返事がおかしい
・まっすぐに歩けない、走れない
熱射病

参考:環境省(熱中症マニュアル)

■熱中症になった時の対処について

熱中症になってしまった場合の対処については、意識がある・反応が正常なときと、意識がない・反応がおかしいとき、によって異なります。


<意識がある、反応が正常な時>

1. 涼しい場所へ避難させる
2. 衣服を脱がせ、身体を冷やす
3. 水分・塩分を補給する
※自力で水を飲めない、または症状が改善しない場合は直ちに救急隊を要請しましょう

<意識がない、反応がおかしい時>

1. 救急隊の要請をする
2. 涼しい場所へ避難させる
3. 衣服を脱がせ、身体を冷やす
4. 医療機関に搬送する
※倒れた時の状況が分かる人が医療機関に同行しましょう

効果的にカラダを冷やす場所は、大きい(太い)血管が通っている場所


■具体的な熱中症予防対策とは

*水分補給をしっかりと、でもお水だけでは逆効果?

水分補給は必要不可欠ですが、覚えておかなければならない重要なポイントがあります。それは「一度にたくさんの水を飲まない・塩分も一緒に摂る」こと。汗を大量にかいた後は、身体の内部の成分バランスも崩しがちのため、かえって熱中症の症状を悪化させる危険もあるのです。ちなみに目安としては、水1リットルに対し2g程度の塩分です。摂取すべき成分のバランスが整った「経口補水液」などを活用するのもよいでしょう。

熱中症に効果的な「経口補水液」に関する記事はこちら

*外出時間に注意
外出や遠出の自粛期間ではありますが、例えば公園で過ごす時間や、ウォーキング・ジョギングなどの汗をかく運動を伴う外出はとくに、気温が高い日中の外出はできるだけ控えるようにしましょう。日傘や冷却アイテムなどを活用すること、水分はいつも手元に持ち歩くこともお忘れなく!


* 運動の内容を検討
不慣れな運動や体温が急に上がるような激しい運動は控えましょう。また、原則として炎天下で運動はしないよう気をつけてください。

* 水分&塩分をこまめに摂取
水だけの摂取ではダメ。必ず塩分も一緒に摂るようにしてください。
(※ 正しい濃度で塩分と水分を摂取するには経口補水液がオススメです)

* 食事はバランス良く、規則正しくを意識
毎日の食事も大事です。旬の食材を使ってバランスよく、決まった時間に食事をとり生活リズムを整えるように心がけましょう。
栄養はもちろん、食事から摂取している水分も減るため、食欲が減退しやすい高気温の日は、水分不足にも注意が必要です。汁物・水分の多い献立を考えてみてください。

* 睡眠をしっかりとる
睡眠不足も熱中症の原因のひとつに。寝苦しさを感じたら、涼しく入眠しやすい環境を整えることも大事です。
(入浴の際は、事前に水分補給~うっすら汗をかく程度に。汗をかくことで、体温の上昇を少し抑えられます)

■老人や子どもに最新の注意を!

お年寄りは汗をかきにくく、暑さ・寒さを感じにくい、子どもは体が小さいため地面の照り返しなどで高温にさらされやすく、汗腺が未発達という特徴があります。お年寄りと子どもについては、細やかな心遣いやケアが必要ですね。

ライフレンジャーでは、1時間毎の気温予報も知ることができます。1日の気温のピークもチェックして、予定の参考にしてくださいね。どうか気をつけてお過ごしください。

(アール)

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