天体観測〜5月6日の明け方「みずがめ座η流星群」が極大!

5月1日は八十八夜。月齢8の上弦の月、ちょうど半分の月が夜空に光ります。八十八夜とは、立春から数えて88日目(立春を1日目とする)の日にあたり、平年は5月2日ですが閏年の今年は5月1日になります。ゴールデンウィークが世に浸透してからは、5月1日といえば「連休の真っ最中」という方も多いと思いますが、今年は新型コロナウイルスの影響で、いつもとはかなり様子が違いますよね。さて、5月の星空情報をまとめてお伝えしたいと思います。

(画像:国立天文台HP)

■6日未明にピークを迎える「みずがめ座η(エータ)流星群」

毎年多くの流星群が見られる代表格の、いわゆる3大流星群(「しぶんぎ座流星群」(1月)、「ペルセウス座流星群」(8月)、「ふたご座流星群」(12月))と同じくらい安定して活動しているのがこの流星群です。母天体はハレー彗星。12年周期で流星の数が増える傾向があり、2020〜2022年にかけては通常よりも多く観測できるとも言われています。
みずがめ座η流星群の活動は毎年ほぼ安定して活発であるにもかかわらず日本ではあまり話題にならないのは、放射点の位置が北半球では中・高緯度での観測が難しい位置にあり、日本では明け方のわずかな時間にしか観測することができないから、なのです。

ただ、今年は月齢13のほぼ満月にあたる時期と重なり、条件としてはあまり良いとは言えません。ピークの時間が午前0時頃〜未明にかけて、になりますので
・月とは反対方向を観る
・5日0時〜4時頃、もしくは6日0時〜4時頃を目安に観る

※星空の観察は太陽が出る前には終えるようにし、絶対に太陽を観ないよう細心の注意をお願いします。
※観察には近くに明かりがなく空を広く見渡せる場所を選びましょう。といつもはお伝えしておりますが、不要不急の外出は控えるようできるかぎりご自宅でお楽しみください。
※双眼鏡や天体望遠鏡は必要ありません。肉眼で観察してみましょう。ヒトの眼は暗さに慣れるまで15分程度かかると言われますので、せめてそのくらいの時間は見上げていてください。空を見上げる時間が長くなると首など疲れやすいので、レジャーシートのようなものに寝転がって見上げるとよいでしょう。

■5月の惑星は火星に注目!

地球と火星は太陽から見たらお隣さん同士で、地球の方が太陽に近く約780日(2年2ヶ月)の周期で火星に近づき、追い越しています。火星に最も近づく時を「最接近」と呼び、この時期には、赤い火星の姿をより「大きく」観ることができます。
今年の10月6日がその最接近の日になりますので、これから徐々に火星が大きく赤く輝いていく様子を楽しむことができます。今月半ば頃(15〜16日)にかけて月が火星に近づいていきますが、月明かりにも負けずキラキラと光る火星と月のコラボレーションも観どころのひとつと言えるでしょう。

(画像:国立天文台HP)

■5月22日は金星から水星へのバトンタッチ!

2019年の11月頃から夕刻の西の空で存在感を放っていた金星が徐々に高度を下げ、水星が高度を上げていきます。金星と水星は5月22日に最接近し、ふたつの惑星の見かけの距離は1度を切ります。ちなみに「1度」は月の直径の2倍にあたる距離。まさに金星から水星へのバトンタッチ!ともいえる瞬間かもしれませんね。
水星は普段はとても見つけるのが難しいのですが、この時期だけは存在感の大きな金星を目印に見つけることができるので、絶好の観察機会です。

(画像:国立天文台HP)

新型コロナウイルスの影響で、普段当たり前にできていたことがしづらい状況になっており、星空の観察も家からだとままならない!と思われるかもしれません。ですが今は「おうちで楽しむ」をモットーに、知識や情報を増やしたり、星が見えにくい環境でも空を見上げて宇宙に心をよせてみてくださいね。

(アール)

シェア!