寒気団の南下で都内でも雪がチラつくかも?という日があったと思ったら「春のような」気温の日があったりして前日との気温差も激しく、記録的な暖冬という言葉にあぐらをかいていると寒い思いをしてしまいそうなこの冬。気まぐれなのは秋の空だけではなくなってきているように思えてしまう今日この頃ですが、このくらいの時期からだんだんあの恐怖が押し寄せてくるんですよね、そう「花粉」シーズンがすぐそこにやってきています。早いところでは2月上旬から飛散し始めているようですが、2月ももう半ば過ぎ。あちこちで、花粉症の症状が出始めた、という声も聞こえてきそう。
2020年の飛散見通しについて、今一度お伝えしたいと思います。今年の花粉については
『近畿や関東では昨年より減少、飛散開始は例年並みかやや遅い』
といえるようで、花粉症に悩まされていらっしゃる皆さまには朗報なんですが、その根拠は?情報を提供してくださったのは、例年おなじみの一般財団法人気象業務支援センター・村山貢司さんです。
■気象条件と飛散見通しについて
スギやヒノキの花粉数は、初夏の気象条件と前年の花粉数(雄花数)によって決まります。2019年の春を振り返ってみると、ヒノキの花粉が大幅に減少して、東日本ではシーズンの総花粉数がその分だけ減少しました。
ほか、花粉飛散量に関係する初夏について、2019年は6月の日照時間はほぼ平年並みだったものの、7月については東北から九州の太平洋側で記録的な日照不足になり、ニュースでも取り上げられるほどでした。
スギやヒノキは光合成によって成長するため、日照時間の大幅な減少を受けて雄花の成長が阻害されました。秋に実施したスギ雄花の着生調査では、山陰から九州北部を除いて前年よりもかなり少なくなっていました。
以上のことから、2020年のスギ・ヒノキ花粉の飛散数は2019年より減少する見込みで、特に近畿地方は前年の50%以下になると予測されます。
去年より少なくても例年と比べると同じ程度と予測されている地域もあれば、昨年より少し多いと予測されている地域もあり、なかなか手放しで喜べない現状です。いずれにしても花粉飛散が「ゼロ」ではありませんので、花粉症の方はそれなりの覚悟と準備を。
■飛散開始時期について
スギの雄花は11月以降の低温と日照時間の短縮によって休眠に入ります。例年ですと12月末ころ休眠から覚醒して開花準備に入ります。休眠の期間中に低温のほうが早く休眠から覚醒し、1月以降の開花準備期間に高温なほど早く開花して花粉を飛散させます。
2019年7月の日照不足の影響で、スギ雄花の成長が遅れ休眠に入る時期が遅くなりました。さらに休眠期間の気温が高かったため、休眠から覚醒する時期が例年よりも遅かったと推定されます。しかし、1月以降の気温がかなり高めに経過すると予想されており、2020年春の花粉の飛散開始は例年並みか例年よりやや遅くなる見通しです。(情報提供:一般財団法人気象業務支援センター)
花粉をなるべく吸い込まないように花粉シーズンはマスク着用の方が多いと思いますが、今年は新型コロナウイルスの影響で深刻なマスク不足になっています。都内のドラッグストアなどでも「売り切れ」の札があちこちに…!使い捨てマスクを洗って二度使い、三度使いするのもな〜とお悩みの方、マスクはハンカチ(布)と紐(マスクゴムなど)で割と簡単に手作りできそうですので、一度試してみてはいかがでしょう。
(アール)