冬なのに冬らしくない=各地で雪不足が深刻というニュースが多く報じられています。天気予報のコメントを見ても「この時期らしくない」「ポカポカ陽気」などの文字が目立ち、中には「せっかくスパイクタイヤに替えたのに出番がない!」なんて声も。そんな中、いよいよ都心でも雪かも?という情報が入ってきました。
◆南岸低気圧ってなに?
都心を含め、西日本・東日本の太平洋側に雪を降らせるのは、主に「南岸低気圧」と呼ばれる、日本の南側を東から北東に向かって通過する低気圧です。
ところがこの「南岸低気圧」は正確な予測が困難な現象と言われており、予報士も頭を悩ませるそうです。
雪が降るかどうかを見極めるには、低気圧が通るコース、雨を降らせる雲域の広がり方のいずれも正確な予測が必要で、さらに地上から上空の気温や湿度の予測が加わるという、とても複雑な要素が絡み合います。
例えば空から降ってくる氷の粒が私たちの生活圏に届く前に溶けていると雨になり、上空の気温がマイナスでとても冷たい空気の場合は、溶けきる前に落ちてきて雪になります。ところが、雪が溶けることで周りの空気から熱を奪って冷やす、という現象も起こります。この影響で周りの空気がマイナス(氷点下)になれば、雪が溶けないことになるんです。また、空気が乾燥していると雪が蒸発して熱を奪って冷やす現象も。こうなると雨が雪になる可能性もありますので、落ちてくるものが雨なのか雪なのか、判断はとても難しいのです。
◆南岸低気圧だけじゃない!冬の気象を左右する現象
2年前の2018年は、年明け早々記録的な寒さや雪が話題になり、都心でマイナス4度が観測されたり、各地で「極寒」の記録が更新されたほどでした。冬季のスポーツの祭典が行われている真っ最中でしたが、選手の活躍と同じくらい「寒さ対策」が報じられた期間でもありました。
今年は「記録的な暖冬」と言われていますが、2年前は「記録的な寒さ」だったなんて…すっかり忘れていました。いずれにしても、雪慣れしていない地域では少しの積雪でも大混乱が生じます。転倒してケガをする人がいたり、交通機関も大変なことになります。気象情報をこまめにチェックして、事前に備えるようにしてくださいね。
(アール)