星の見頃はこれから!11月の天体観測まとめ

台風の影響もあって、どうも雨が多い気がする今年の天気。星を楽しむ機会があまりないように思いますが、これからは少し期待できるかも? 11月に観測できる天体ショーの情報をまとめます。

■くじら座の「ミラ」を見つけよう!

くじら座の「ミラ」をご存じでしょうか。ミラは変光星で、明るさが大きく変わります。変光星が明るさを変える原因はいくつかありますが、ミラの場合は星の一生が終わりに近い段階で、膨張と収縮を繰り返す不安定な状態にあるからだそう。膨張すると温度が下がって暗くなり、収縮すると温度が上がって明るくなり、2~10級くらいまで明るさが変化します。ミラは変光の周期や一番明るくなった時の明るさが一定ではなく、どの時期に一番明るくなるか(極大)、どれくらい明るくなるか、という予想が難しい星なんだそう。

極大は11月17日と予想されていますが、これがずれる可能性も。11月に入ったら、晴れた夜にはミラを探して明るさの違いを感じてみませんか? ミラを見つける手掛かりはこちら↓

(画像:国立天文台HP)

① まず、秋の四辺形を見つける
② 2等星の「ディフダ」を見つける
③ くじら座の東側にあるおうし座の1等星「アルデバラン」を見つける
④ ②と③の2つの星のほぼ真ん中に輝く赤い星が「ミラ」

■ 滅多に見られない水星が見頃。金星と木星が近づく

この時期の太陽系惑星の動きも見逃せません。
まずは、太陽に近いため、見るのが難しい惑星・水星が西方最大離角を迎えるため、11月28日前後は絶好の観測チャンスとなります。太陽が昇る30分くらい前の明け方、東の空を見てみましょう。水星を見るには、まず事前に位置を把握することが大切です。

(画像:国立天文台HP)

① 真東をしっかり確認
② 地平線から10度程度の高度
③ 太陽が昇る前、場所を見極めて双眼鏡で!

くれぐれも、双眼鏡で太陽を観ないよう細心の注意を払ってくださいね。観察は日の出前に終了してください。

11月下旬はほかにも見どころが!高度をあげていく金星と高度を下げていく木星が近づきます。最も近づいて見えるのは11月24日。日が暮れてから30分くらい後、明るく輝く金星と木星のコラボレーションをお楽しみください。

(画像:国立天文台HP)

■ しし座流星群がピークを迎える!

テンペル・タットル彗星が母天体のしし座流星群が、11月18日頃に極大を迎えます。一番の見頃は19日の未明ですが、12日が満月のため、見頃の時間帯には月が明るく、条件はあまり良いとは言えません。とはいえ、しし座流星群といえば過去に何度も大出現が記録されている流星群。期待を込めて空を見上げてみましょう!

(アール)

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