太陽の光がほとんどない7月、長い梅雨、猛烈に暑い酷暑、激しいゲリラ雷雨に日本列島直撃の台風…落ち着く間もないほどさまざまな現象が次から次へとやってきましたが、季節は着々と秋に向かっています。秋といえば実りの秋。お米をはじめ、美味しいフルーツや農作物が実る季節。観光農園のフルーツ狩りだけではなく、山菜や木の実、キノコなどを求めて山野にお出かけされる方も多いことでしょう。
さて、そのキノコ、毒性があるもの・ないものを上手に見分けるコツはあるのでしょうか?毎年かなりの方が野生キノコによる食中毒で体調を崩したり、ひどい場合は生命にも関わる事件が起きています。食べられるキノコと食べられないキノコを見極めるには、何が必要か取材しました。するとキノコの見分け方にまつわる話は「迷信だらけ」ということが発覚! 今日はその内容についてお話します。
【迷信①】虫がいるキノコは食べられる=完全NG 迷信度100%
ツキヨタケやドクツルタケなど、毒キノコにも虫やナメクジなどがいます。人間やほ乳類にとっては毒でも、ある一定の虫は大丈夫!ということもあるんです。これは進化の過程で何らかの必要性に応じてこうなったのではないか…との説も。ちなみにキノコと虫の関係についてはそれぞれ個別対応しているようですので、虫がいるからといって安易に「食べられる」と思うと大変危険です!
【迷信②】ケバケバしい色の派手なキノコは食べられない?=とはいえない!地味でも毒はある
スーパーなどの店頭で見かけるキノコは、乳白色や薄茶、こげ茶など、色味は地味なもの(アースカラーとでも言いましょうか)が多いですが、特に色が鮮やかなキノコで毒性があるものは、思っているほど多くはないようです。美味しいと大評判のタマゴタケは食べられるキノコですが、とっても派手で真っ赤なキノコ。一方、やはり派手な見た目でタマゴタケとよく似ているベニテングダケは毒キノコの代表格。見た目だけでは判断できませんね。
一方、見た目はかなり地味な色合いのツキヨタケは毒キノコ。毒キノコで中毒になったとニュースで報じられることがとても多いのは、このツキヨタケです。ツキヨタケは、ブナやなどの枯れ木に生えるキノコで、シイタケやムキタケ・ヒラタケといった食べられるキノコと見た目がよく似ていて紛らわしいようです。
【迷信③】茎が縦に裂けるキノコは食べられる→信じちゃダメ!
多くのキノコは茎が縦に裂けます。種によってある程度の傾向はあっても、例外だらけなのがキノコの特徴のひとつ。ドクツルダケのように猛毒のキノコが多いテングダケ科のキノコは茎が裂けます。逆にハツタケやアカモミタケなどは食べられますが、これらベニタケ科のキノコは茎が裂けにくいようです。
ちなみにドクツルタケはキノコによる中毒死亡事例の約半分を占めるほど。白っぽいキノコで、シロオオハラタケという白っぽいキノコとよく似ています。この見分けもとても難しいので、注意が必要です。
【迷信④】調理をすれば毒が消える→信じちゃダメ!
これまたとんでもない迷信です。巷でよく言われているのが「ナスと一緒に煮る」「油で炒める」「塩漬けする」などなど…これらすべて何の根拠もありません。また、さらに注意したいのが食べられるキノコでも「生だと毒になる(火を通せば食べられる)」「アルコールと反応して毒になる」といった特徴を持っているキノコがあること。アルコールなしで食べた同じキノコを、お酒のつまみに食べてしまうと大変なことになりますよ!
画像は毒キノコの代表格・ベニテングダケ。ぱっと見たところいかにもキノコらしくて、つい手を伸ばしたくなるじゃないですか。キノコはとても種類が多くて、毒キノコはこうで食べられるキノコはこんな感じ!といった傾向などは一切なく、キノコに精通した専門家にひとつひとつ確認するのが一番、とのこと!つまり「毒キノコを見分ける方法」なんてものはないのです。キノコに関していえば「素人が判断するのは無理!」の一言につきます。素人判断では見分けがつきにくいため、危ないキノコ狩りをしないよう、くれぐれもご注意くださいね!
(アール)