天文好きの方ならよくご存知、天文にはそれほど・・・という方でも一度くらいは耳にした事があると思われると思いますが、宇宙の偉大なるナゾ「ダークマター」について、つい先日(4月2日)“ダークマターは原始ブラックホールではなかった!?”という発表があり、天文ファンをざわざわさせました。
参考:「ダークマターは原始ブラックホールではなかった!?」
ブラックホール?ダークマター・・・なんとなく言葉は知っているけどどんな関係があるの?それってなんだっけ?
「暗黒物質=ダークマター」
ダークサイド、ダークヒーロー、ダーク○○、いわゆる「闇」を表現する言葉で、確かにちょっと怪しげな暗いイメージですよね。ダークマターも、その文字が示しているように「闇」なんです。「質量は持っているけれど、光学的に観測できない」と定義されるとおり「見えないのにある」、まるでユーレイのような存在。あるのはわかっているのに見えない、となると興味をそそられるのは人間の性ともいうべきか、この正体不明の物質は魅力的でもあり、脅威でもあります。
「ブラックホール」
SFアニメーションなどにもたびたび登場する「ブラックホール」。とてつもなく高密度、かつ巨大な質量で「光さえも脱出不可能な天体」などと表現されていますが、全く想像すらつかないですよね。ブラックホールもあるのはわかっているのに見えない宇宙の大きなナゾのひとつです。
宇宙はナゾだらけですが、この2つに関しては特に関心が高く、かのアインシュタインが発表した「相対理論」でもブラックホールについて書かれており、現代では数年前に亡くなられたホーキング博士もふくめ、数多の物理学者たちによって議論が交わされています。なにしろ「見えない」んですから、理論で議論になってしまうわけです。
「ダークマターがブラックホールじゃなかった」と発表される少し前、3月14日には愛媛大学の研究者が主導する国際共同研究チームが大量の巨大ブラックホールを発見した、と発表。すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラHSCによって得られた画像が公開されました。
画像:国立天文台HP
このブラックホール、地球からの距離はなんと!130.5億光年。宇宙が誕生してから10億光年も経たないうちにこのブラックホールができていたとか・・・もう、どれくらいの距離なのか想像すらつきませんが、こうしたナゾが解き明かされる時代に生きている事は、もうそれだけでラッキーなのかもしれません。
今後も技術の発展や研究のスピードアップなど、もしかしたら生きているうちに「ダークマターの正体解明の瞬間」や「ブラックホールを可視化」なんて、奇跡の瞬間に立ち会うことができるかもしれないですね!
参考:国立天文台HP
(アール)